Re: 自分で手の内の革の修理は出来ますか ( No.1 ) |
- 日時: 2009/12/21 16:04:15
- 名前: だみ声<
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- 小手の価格は、小学生のクラリーノ製の場合せいぜい1万円ですね?
穴が開いた場合の修理代が片方で3〜5千円程度になると思います。 縫い付け手間にかかる時間と技術料などを考えるとあながち高いという訳にも行かないと思います。
そうなると買い換えても大差ないことになります。すこし上等のものの場合、鹿皮をあてがって縫い付けて修理という訳でやはり片方4〜5千円でしょうか? その他ほころびなどを補修してもらったり、手の内全面張り替えとなると片方7〜8千円程度ではないでしょうか?
一人分の両手全面張り替えで、2万円以下ですが、修理屋さん(武道具店)にとっては、決して良い稼ぎではないはずです。丁寧な武道具店では、一日で一人分以上は難しいのではないかと思います。(下請けに出してるお店には修理依頼したくありません) いきおい新品を勧めたくなるのは人情だと思います。
稽古量が多いと修理代がバカにならなくなり、予備の小手を準備して使い回しますので、その間に修理も出来ますが、自分でやってみるのも経費節減につながります。
僕のやってる素人修理法ですが、結構行けてると思いますのでご披露します。 全面張り替えは、武道具店にお願いしておりますので、あくまで穴修理の範疇です。 基本的には穴よりかなり大きく(穴周辺の皮も薄くなってます)切り取った鹿皮を、接着剤で貼り付けます。 縫うのは大変なのでこれだけで済ませちゃいます。
使う鹿皮は新品で上等の柄皮(柔らかいのが良い)が手に入りやすいですが、手芸店になめした鹿皮がある、というか取り寄せてもらえると思います。厚さ1mm程度のもの。 一方手芸店には、なめした鹿皮で色々型取りした後の「はぎれ」をまとめて破格値で売ってることがあります。(厚さの合わないのもありますが、破格値だから良い所を使います) もう一つ僕の経験ですが、奈良公園の春日大社隣のおみやげ屋で手頃な鹿皮(40cm角程度)を1500円程度で買ったこともあります。(奈良公園に生息する鹿の皮ではないと思います)
接着剤は、接着後も柔らかさを保つものが良い訳で、昔アロンアルファーゼリーを使ってましたが、硬化後固いので、いささか違和感がありました。 今使っているのはボンドウルトラSUの透明タイプです。ホームセンターで30g?350円ぐらいです。 鹿皮を切り取る前に修理範囲に合わせた型紙を実際に穴周辺の形に沿って取ります。 型紙に合わせて鹿皮を切り取り、両面にしっかり接着剤を塗布して貼り合わせた後、よく圧着して一晩置けば出来上がりです。 この後周辺を縫い付ければプロの仕事と同じですが、皮を縫うのはかなり熟練が必用です。
いまもう一歩進めたいのは、圧着のための、ぴったりマッチした道具の開発です。 指導している小中学生の穴修理を請け負って大変喜ばれております。 何しろタダ。 原価など知れてますし、コツを覚えると修理も楽しく、子供の癖も分かります。 2〜3度ほどこういう修理をすると、その他部分もくたびれてきますので、張り替えか買い換えで対応してもらってます。
もちろん自分の小手修理も、この方法で何度もやっており、特に不都合はありません。全面張り替えのみ、武道具店でお願いしております。
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Re: 自分で手の内の革の修理は出来ますか ( No.2 ) |
- 日時: 2009/12/21 19:00:24
- 名前: 初老のおじさん
- わちゃ〜さんへ
初老のおじさんと申します。 >甲手の修理の仕方や何かコツがありましたらご存知の方教えて頂けませんか?<
基本は、自分の道具は自分で何とかする。(年のせいかも知れませんが、もったいない) 私は、小さな穴なら自分で縫います。
以前は、皮がなくて、柄皮をよく利用していました。 ただ、手の内の皮は、小さな穴が空いていて通気性があるが、柄皮には、通気性が無い。 長い間には、手の内の皮と柄皮で伸びと縮みが合わずにズレが生ずる。 皮はなんともないが、縫ってある糸が切れる事もありますが、その部分だけ、また縫えば又使えます。 等の問題もありますが、使用には特に問題はないと思います。
方法は、 穴を中心に、上下左右に同じ位、面積にすれば9倍位の皮を用意し、 角が出来ない様に丸くし、糸で縫います。(角があるとそこからめくれる事がある) 皮が厚くてなかなか針が通らない事もしばしばあります。 その様な時は、しかたなくペンチを用いる事もあります。(位置決めだけ手で行い、後は無理せず徐々にペンチで挟み押したり引いたりして縫う) 針は、皮用の物、(針と糸は手芸用具店にあります) 糸はナイロン製(ボタンつけ用)を利用しています。 我が家では、子ども3人と私で計4人が剣道をしているので、その手入れも大変です。
以前は材料の入手に苦労しましたが、最近では何とか出来る様になりました。 皮は、鹿皮で12×12センチで数百円位です。 縫っている途中で、何度か手を入れてよく握ったり、動かし、貼る皮を引きながら縫うのがポイントの様に感じます。 縫った後の使用観は、まずまずの様です。 特に違和感はありませんが、穴が5〜7ミリ位までに縫っておかないと、 穴が大きい場合は、指が穴に入る事もあるので、早めに行った方が良いと思います。
業者(防具屋さん)にお願いすると、仕上がりもきれいです。価格は、 穴ふさぎで、1箇所 500円〜700円程度 貼り換えで、片手 5000円〜10000円程度かかると思います。
出来るのであれば、甲手の構造や作りも理解出来るので、一度は縫ってみるのも良いと思います。
また、甲手や布団修理用の、のり付きの物や ネットの中にも、補修キットやマニュアル等がのっているので、 調べてみるのも一つの方法と思います。
ちなみに、我が家では、面布団がすれて薄くなった時や、へりが擦れて糸が垂れ下がった時等、すべて自分で修理して使用しています。しかし、3人目は少々可愛そうな時もあります。
しかし、防具は手入れ次第で長く使えると思います。
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Re: 自分で手の内の革の修理は出来ますか ( No.3 ) |
- 日時: 2009/12/21 22:27:44
- 名前: 凛美優
- 『わちゃ〜』先生。ご無沙汰しております。お元気でしょうか。
私は、かれこれ中学生の頃から、小手の手の内皮に開く穴は、自分で縫って修理しています。3箇所以上開いたら、全面張替えで業者さんに修理に出します。
皮は、皆さまがお話しの通り、私も当初は柄皮を流用していましたが、社会人になってからは、馴染みの武道具屋さんから鹿皮の端切れをもらって、それで対応しています。
縫う部分は、開いた穴の大きさより5ミリ位大きめに表からばーんと貼ります。針と糸は、カーテンや絨毯の修理用の太いやつを使っています。皮そのものも柔らかいものを使いますので、それ程に修理箇所は気にならないと思います。
素早く縫い付けるには、あらかじめニードルという太い針で貼り付ける皮に穴を開けてから、その穴に針糸を通していくという方法でやっています。ニードルで穴を開けてから針糸を通す、というのがポイントかと。
過日もちょうど修理したばかりですけど、私のペースで大体50分くらいですかね。見た目は良くないですけど、機能的には問題ないです。
全面張替えをするとき、手の内の皮を切り取って、次回の修理用に取っておくのもいいかもしれませんね。
あと、試合とかあって間に合わない場合には、百円ショップで瞬間接着剤を買ってきて、端切れ皮を張るっていう手もあります。意外としっかり付きますよ。
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Re: 自分で手の内の革の修理は出来ますか ( No.4 ) |
- 日時: 2009/12/22 02:12:23
- 名前: わちゃ〜
- だみ声先生、初老のおじさん先生、凛美優先生。
早速、この様に、ご丁寧な説明を下さり誠に有難うございます。
だみ声先生 仰る通り、以前お店の大将にお聞きしたところ、鹿皮をあてがって縫付け修理は、片方5千円位と聞いた事があります。 手の内全面張り替えは、幾らというより成長期である少年・中学生用となれば買い替えをお勧めして下さいます。ホント親切です。 おまけに「バーゲンまで待っとき」まで仰って下さいます。 >コツを覚えると修理も楽しく・・< まさにその通りで修理だけでなく何にでも当てはまる事と思います。それが自分の広がりになりますよね。子供に最も教えたいところです。
初老のおじさん先生、お久しぶりです。 目に浮かぶような詳しい縫製方法ありがとうございます。 補修キットなる物があるとは存じませんでした。一度確かめます。 手芸店は、他の事で訪れた事がありますが、又見に行ってきます。女性ばかりで、ちょっと恥ずかしいんですけどね。
凛美優先生、ご無沙汰しております。 私は、既に寒い寒いと言いながらも元気にしてます。凛美優先生はいかがお過ごしでしょうか。 針・糸は、初老のおじさん先生が仰るナイロン製(ボタンつけ用)やカーテン・絨毯修理用の太い物と、シッカリした物を使用した方が良いのですね。私は、しっかりした糸その物が鹿革に負担をかけてしまわないかと頭で考えてました。 『ニードル』という針は言われてみて今思い出したのですが、バブル期の頃皆が持っていた牛革システム手帳の縫製修理で使用した事があります。きっと番手の様なものがあるのかもしれませんので手芸店で鹿皮用?を確認したいと思います。
お話をお聞きした所、少しの穴ふさぎ修理位では使用に問題なさそうですね。 というかその位の事でどうのと不都合を言う事が贅沢な話です。 高段の皆様の決して剣道の技術的な事だけでなく道具に対しての姿勢をも感じ、あらためて恐れ入るばかりです。 強くその「心」を伝承したいと考えます。
妻と話をしましたら穴よりも以前から団長先生から小手自体もう小さいので換える時期だなと言われてたようでした。(あっソウだったの) 小5(春)〜中2(冬)の4年間で体格も変化しましたのでそれもそうかと納得。 道場の月例試合を日曜に終え今週末の中学校大会でこの小手も使い納め。 正月稽古から春の大会に向けて新調小手をなじませるようです。
どうやら今回は私の冬休みの宿題(穴ふさぎ修理をする事!)が出来たようです。 まずは、親たるもの姿を持って教えようと思います。 修理した小手は下の息子の予備にと。 下の息子に「ま〜たお下がりかよ」と言われそうですが・・・。
長文失礼致しました。
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Re: 自分で手の内の革の修理は出来ますか ( No.5 ) |
- 日時: 2009/12/22 10:58:19
- 名前: だみ声<
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- 同じ手の内の穴修理でも、それぞれノウハウがあるものですねえ。
最も本格的なのが初老のおじさん方式、プロも顔負け。 稟美優先生のは、年季が入ってて、しかも臨機応変型。 僕のが手抜き方式、量産型。
やってみて分かるのは、皮に針を通すには、普通の縫い針が殆ど役に立たない事です。 槍の穂先のように斬り進む構造の針でないと駄目なのですよねえ。 そういえば注射針の先端はスパッと切り落とされてるから、皮膚に刺さるんですよねえ。 なめした皮には更に切開能力のある針が要求されるようです。
わちゃ〜 さんはそれぞれのやり方をやってみて「守」 それぞれの良い所を取り入れて、改良し「破」 ついに独自の方式を編み出して流派をなす「離」
大げさだねえ。 でもおもしろいですねえ。
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Re: 自分で手の内の革の修理は出来ますか ( No.6 ) |
- 日時: 2009/12/23 08:22:36
- 名前: わちゃ〜
- だみ声様、おはようございます。
なにも大げさではありません。 手の内の穴修理を『守・破・離』に分けてみるのは面白いです。 考え方・見方の深度が変わるようですね。
>それぞれのやり方をやってみて「守」< 「色々やり方教わって・・・手芸店は覗いて見るはするけど・・。」 で、単なる頭でっかちになってしまい体が動いて無い。 「え〜全部やるのですか?どれか一つじゃ駄目ですか?めんどくさいな」 とやりもせず真似も出来なければ「破」は遠のくばかり。 ゆえに「守」が最重要事項。
>それぞれの良い所を取り入れて、改良し「破」< どれも良い所があり「どれが自分に合うものかな?いやいやそれでは自分がないぞ!」 迷いが多く、それはホントの自分がまだ見えてない証拠。 試行錯誤の連続。出来たつもりが多い玉石混合。>ついに独自の方式を編み出して流派をなす「離」< 学生時代、いつの間にか手の内に穴が開いていた…。 金を使うな頭を使え!工夫をしなさい! 工夫を考えるから楽しいのです。 ケチやお金が無いんじゃないのよ。無いんだけど。
救急箱の絆創膏(テープの部分)を手の内の裏から貼り応急処置。 絆創膏は薄く違和感がない。しかも安い(学校の救急箱だもんね) これでいいじゃない。 これぞわちゃ〜流 絆創膏派 その場鎬型 私は既に「離」の境地を完成していたのか。 しかし子供に教えられないぞこんなやり方。 これは、本筋から「離」れた単なる亜流というもの。 求める「離」とは似て非なるもの。
「離」とは悟りの境地であるゆえ離れ方を間違えると独りよがりになってしまい認めてもらえない。 周りに認められてこそ「離」 ということで「守」からやり直し。
エライ事に小手の穴修理が修行になって来た。
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