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師匠との別れ
日時: 2011/04/09 23:42:26
名前: 凛美優

皆さま。ご無沙汰しております。お元気でしょうか。

久々の書き込みです。昨年の年末から私生活でいろいろとバタ付き、こちらへの書き込みもなかなか出来ず、サイトへの参加から遠退いておりました。

最近の日本は、不況をはじめ、政局の混沌さ、社会保障や年金問題、外交問題、そして国難とも言うべき大震災とそれに起因する原発問題や放射能問題や電力問題や景気低迷などなど、もう問題だらけで大変です。でも、大切な家族や財産などをすべて奪われ、自分の命までも失う危険にさらされた東北の震災被害者の方々が、血と汗と涙を流しながら、耐えて頑張って生き抜いている姿を報道で見ますと、皆だって頑張ってる、だから自分だってもっと負けずに頑張らないといけない、まだ他に何か出来るはずだって、自ら奮い立たせているところです。

過日、私の師匠が心不全で亡くなりました。80歳でした。私が小学3年生の時に、初めて剣道を教えて下さった大先生です。先生危篤の知らせで、仕事もそっちのけで、新幹線に飛び乗り広島へ向かいました。病院に着いたのは夜。先生は、変わり果てた姿で、呼吸器をつけて寝ていました。つい数日前までお一人で立ち歩き、調子が悪いから救急車で自分で病院に行ったとのこと。一両日そばにいましたが、先生の意識は戻らず、眼を見ることも、話しをすることも、出来ませんでした。意識のないまま小康状態だったので帰京したのですが、私がちょうど家に着いたら、息を引き取ったとの連絡が入りました。翌日、すぐに広島へ戻ったら、先生はもっと変わり果てた姿になっていました。

先生は、小学生の私たちに『早くワシらを追い抜いて、もっと羽ばたいて飛んで行けっ!』って大声で仰っていました。私が、今、そんなふうになっているかって思えば、到底、そうではありません。
当時、先生は既に教士七段。その数年後には、八段を挑戦するに至るほどの大先生。仕事で腰の骨を折ったとか肘の関節がどうしたとか、たくさんの大怪我をし、それでも八段を目指すのだと隣の岡山県にまで修業に行ったりして頑張っていたのに・・・。『道場で死ねれば本望ジャっ!』って言いながら、その後も心臓だの肝臓だのすい臓だの膀胱だのって大手術を何度もして、それでも剣道を止めなかった。最後の入院したその日だって、家族に木刀の太刀と小太刀を持ってきてとお願いするほど、亡くなるその直前まで、剣の道を歩まれていました。

先生が道場訓とすると言って大騒ぎした言葉・・・。
『剣は心なり。心正しからざれば剣又正しからず。剣を学ばんと欲すれば、まず心より学ぶべし。』
この言葉は、過日、偶然にも今私の所属する道場の道場訓となりました。『剣道は剣の道。心がないと駄目ジャっ!剣は心!心ある剣を持つ先生に掛かって行け!』と。『気と気でぶつかり、正々堂々とやれ。卑怯な真似はするな。』と。子どもの私たちによく言っていました。

先生から学んだ出小手の技。何度も練習しても先生のようには最後まで出来なかった。数年前の七段の審査の時、自分の剣道人生で初めて審査で出小手を決めた、そこで何とか合格した、そのことが先生へのせめてもの恩返しになったかもと・・・。先生から教わった技で昇段したけれど、結局、弟子の自分は、先生を最後まで越えることは出来ませんでした。それほど自分にとっては偉大で大きな大きな存在でした。

『生涯剣道』。先生は、まさに自分が死ぬまで剣道を貫きました。私には、先生のようには到底できません。もっともっとたくさん教えて欲しかった。もっと聞きたいことがあった。でもそれはもう叶いません。自分の中に大きな穴が開いてしまって、今は剣道をする気が沸いてきません。師匠との別れは、本当に悲しく辛いです。

何とか、また自分が道場に行って剣道が出来るようになれるよう、何とかしたいです。そのためにも、出来るだけ、またこのサイトに書き込みをして、皆さまとたくさん意見交換したいと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

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Re: 師匠との別れ ( No.1 )
日時: 2011/04/10 00:33:08
名前: だみ声< >

凛美優先生
恩師のご逝去、心からお悔やみ申し上げます。 40歳前半の頃の大先生に、小学3年生の豆剣士が手ほどきを受け、現在先生と同じ段位となられて恩返しの一つは済ませておられます。 ここで同じ段位とあえて言わせていただきますが、やはり修行の段階を具現化した「段」において先生に並ばれたという点において、先生も大いに満足しておられたと思います。

世間は、と言うか世界はグローバル化と言いつつ、情報は目まぐるしく飛び交っておりますし、政治情勢も、経済も決して安定しておらず、おまけにわが国は、巨大地震と大津波、原発事故まで加わって「国家の危機」と言っても過言ではない状態です。

そんな中で凛美優先生とは、剣道という共通項を持ちつつ、ネット社会でお付き合いさせていただいておりますが、ある意味小さい頃からの恩師と言うのは、幾つになられても、文字通り「大先生」な訳で、どんなに離れていても心の支えであったろうとお察し申し上げます。

大先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
Re: 師匠との別れ ( No.2 )
日時: 2011/04/10 02:32:57
名前: たけ

はじめまして、たけともうします。初めて書き込みいたします。
この度は、御悔やみ申し上げます。
今までは、いつも先生の書き込みを読ませていただいて感銘を受けておりました。お会いしたことは御座いませんが尊敬致しております。
今後もおきを落とされずに、このサイトを通じてご指導お願い申し上げます。
Re: 師匠との別れ ( No.3 )
日時: 2011/04/11 13:40:47
名前: 胴長剣士

凛美優先生
この度は大先生のご逝去、心からお悔やみ申し上げます。

先日は、大変な悲しみを抱えていらっしゃる時に、私の質問にお答え頂いたのかと思うと、本当に感謝いたしております。

先生と剣を交わした事はございませんが、このサイトを通じていろいろな事をご教授いただきました。

先生が大先生に、もっといろいろ教えて頂きたかったとおっしゃるように、先生を慕い、もっとご指導頂きたいと願う少年剣士、悩める剣士はたくさんいると思います。

大切な人を失った心の穴は簡単に埋まるものではございません。無理をなさらないでくださいね。

私を含め、先生を慕う剣士の想いが、少しでも先生の心の穴を埋めるお手伝いができればと願っております。

大先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

Re: 師匠との別れ ( No.4 )
日時: 2011/04/13 10:13:59
名前: kenoken

凛美優先生、

お師匠様のご逝去、心からお悔やみ申し上げます。

大先生から凛美優先生に伝わったものをまた、私たちに伝えてください。
これからも先生の書き込みを楽しみにしています。

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