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練習をする上でのしごきについて
日時: 2011/06/28 22:12:03
名前: Pathetique

皆様こんばんわ。
Pathetiqueです。

二回目の質問になりますが、今回は表題のしごきについて御教授賜りたいと思っております。
まだまだ、理解の遠く及ばない素人ではございますが、よろしくお願い致します。

今回この質問をさせて頂いたのは、高校の頃剣道をやっていた友人に、剣道の練習は冗談抜きで死にかける、というような事を聞いたからです。
私はその友人がちょっとオーバーに言っているだけなのではと、思っていたのですが、その友人曰く。
稽古中にどんなに暑くても給水を許してもらえない。
顧問の機嫌次第で練習内容が変わるし、竹刀で殴られる。
と言ったような事でした。

これを聞いて非常にびっくりしたのですが、基本的に私はしごきに関しては、是として捉えています。
確かに私自身経験者では無いので、他人事の様に捉えている部分は多分にあると思いますが、基本剣道と言うのは、今でこそルールの整備されている武道ですが、一昔前までは竹刀は鋼の剣であり、こう言ってしまっては反感を持たれる方もいらっしゃるでしょうが、人殺しの技だと(哲学的なものとは切り離して)、思っております。
そして人殺しの技故に、それが単なる人殺しにならない為に、私情に流される事なく、剣を持つと言う事の責任を己に知らしめる、と言う意味合いで自身がぶれない様に、心を鍛える為に辛い修行を行っていたのではないかと、私的見解ですが、そう思っています。

ですが、上記の友人が言った様な稽古が、果たして功を奏しているのか分かりません、その友人は顧問の先生をあまり好ましく思っていないようでもありました。
この友人の意見だけでは、友人の気持ちは理解できても、その顧問の先生の心内を知る事は出来ません。

ですので、ここの皆様にお伺いしたいのです。
どの様な理由で、上記の様なしごきが必要なのか。
そしてもし、上記の様なしごきは間違っていると、思われる方がおられましたら、どの様にして心を鍛えるべきなのか、ご教授頂けますでしょうか。
どうぞ宜しくお願い致します。

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Re: 練習をする上でのしごきについて ( No.1 )
日時: 2011/06/29 21:29:32
名前: 風牙
URL: http://jyohokukensikai.sports.coocan.jp/

Pathetique様

はじめまして

Pathetique様とご友人のお歳が解らないので的確な事は言えませんが・・を前提に。

ご友人がシゴキと感じるか強くなる為の大きな壁と感じられるかで全然違って来ます。
私は44歳ですが子供の頃は稽古中の水分補給など許されませんでした。
それが当たり前(剣道に限らず)だった時代です。
竹刀で叩かれる・・・毎回です。
変な例えですが面を剥ぎ取られ、ゲンコツで殴られるよりずっとましです。

先生がいらっしゃり、生徒が複数人いれば好きな人、嫌いな(苦手な)人が出て当たり前だと思います。

今は叩く先生はいらっしゃると思いますが、水分補給を禁止する先生は少ないと思います。
やはり事故は責任者にとって一番恐ろしい物ですから。

ちなみに私は下手ですが剣道好きで叩かれようが何されようが餓鬼の様に掛かって行きました。

流石に今は家庭も仕事もありますので、出来ませんが。

少しでもご参考になれば良いのですが。
Re: 練習をする上でのしごきについて ( No.2 )
日時: 2011/06/30 01:34:58
名前: 凛美優

『Pathetique』先生。

剣道に強くご関心をお持ちのご様子。大変よいことだと思います。直接的な剣道のご経験をお持ちでないとのことで、若干、理論やイメージが先行されている感があります。まず、お勧めしたいのは、全日本剣道連盟のHPをご覧頂ければ、剣道の基本的な事柄が相当広範囲で分かってくると思います。

中でも特に、HP右上の『剣道の理念』のアイコンをクリックすると、剣道指導の心構えなるものがありますので、それが原点です。また、剣道の歴史や生い立ちなどを概論的に学びたいならば、当該HPの書籍の通信販売で『剣道社会体育教本(改訂版)』という本がお勧めです。相応の学識者が研究の末、まとめたものなので、相当しっかりした本です。是非、ご一読され、剣道に関する理解を深められるとよろしいかと思います。

さて、ご照会の『しごき』の必要性ですが、それは指導者のあり方、そのしごきのあり方、そしてそれを受ける門下生のあり方によって、千差万別、あり方や認識のされ方や受け止め方が変わってきますので、一言で『しごき』とまとめられると、コメントのしようがないです。

剣道なんか絶対にやりたくないと思っている人に強制的に剣道のお稽古をやらせれば、どんな練習でも厳しければ全部悪質な『しごき』となり、それを受ける者には何ら得るものはありません。当然それには、受け手の許容能力の問題もあるし、指導の方法の問題も出てきます。逆に、少しでも早く上達したいと暗中模索で剣技を夢中に追求する人にとっては、自らが信じる指導者から受けるどんな厳しいお稽古でも、それは『しごき』ではなく有難い指導になるでしょう。

竹刀で殴られるというのも、そのやり方や状況の総合判断によらなければ、妥当性を適切に計ることは出来ません。ただ『殴る』と表現している限り、やる方とやられる方の間には相当な意識格差があることは間違い無さそうですね。

『しごき』の必要性を問題とする場合、『しごき』って何?っていう所がありますから、何とも言えませんが、ただハッキリ言えるのは、その門下生にとって心身共に厳しいお稽古を反復すれば、ほぼ絶対的に何もしない門下生よりも、相対的に心身ともに強く早く上達することは間違いないと思います。ただそれには、指導者のきちんとした個々の門下生に関する指導管理や状況把握や最良指導の徹底というものが不可欠であり、一人に適切であっても他の数人には不適切になる場合もあるので、意味も無く『稽古』と称して漠然と、厳しく過酷な運動をさせるのは、避けなければなりません。個々の門下生の属性に応じた適切な指導方針・指導計画に基づき、お稽古していくことが重要だと思います。

あと給水に関してですが、ここ十数年、全国の各剣道連盟における剣道指導者講習会でも熱中症の危険性と予防を強く唱え教育しています。その予防徹底と応急措置について、全国あちこちで、剣道指導に携わる方々に研修していると思います。なのでお稽古中、どんな状況でも、水を飲ませないというのは、私の見ている範囲では、皆無だと思います。もし、特にこの夏場でそれをやっている指導者がいたら、直ちにやめさせるべきだと思います。熱中症は、本当に死に至る大変危険なものですから、指導監督責任は、法的にも極めて重いものです。

最後に、書き込みされている
『基本剣道と言うのは、〜 一昔前までは竹刀は鋼の剣であり、〜 人殺しの技だと(哲学的なものとは切り離して)思っております。そして人殺しの技故に、それが単なる人殺しにならない為に、私情に流される事なく、剣を持つと言う事の責任を己に知らしめる、と言う意味合いで自身がぶれない様に、心を鍛える為に辛い修行を行っていたのではないかと、私的見解ですが、そう思っています。』
という部分ですが、個人的なご意見と言うのであれば、特に何も言いませんが、一応、このサイトには、多くの剣道人が閲覧している可能性があるので、一言記すと、それは現代剣道の歴史観や変遷の事実に照らし、大きく間違っているものと思いますので、是非、前出の教本なり他のテキストを是非お読み頂き、認識を変えて頂きたく思います。
少しだけ言うと、現代剣道は、『殺人剣』ではなく『活人剣』という位置付けです。剣道は『相手を倒す技術』ではなく『自らの人間形成の道』です。剣技の修得が目的ではなく、それは手段であり、自らの人間形成の道を歩み続けることが目的です。剣道で対峙するのは、表面的には相手の方ですが、その心の内では、対峙しているのは常に眼に見えない自分自身です。お相手の方に自身の修業に協力して頂いているのです。ですから常にお相手の方に敬愛の念を持って真剣に対峙するのです。剣道はそういう武道だと思って、私は、剣道を続けています。

結論は、『しごき』の必要性は、そのあり方と周囲状況等により変わる。ただ水を飲まさないとか、無意味に竹刀で殴るというのは、最近はあまり見たことありませんが、あるとすれば、それは全く効果も意義もなく、剣道界からも一般社会からの否定され批判されて当然のものだと思います。わが国の現代社会は法治国家であり、社会水準と一般生活の向上に伴い、社会良識と結果責任を強く追及される社会構造に変容しているという事実を忘れてはいけないと思います。
Re: 練習をする上でのしごきについて ( No.3 )
日時: 2011/06/30 21:00:36
名前: Pathetique

皆様、こんにちは。
Pathetiqueでございます。

風牙様、凛美優様、ご返信まことに有難うございます。

風牙様》友人、私自身共々、33歳になります。
よって今現在より、17年ぐらい前のお話になるかと思います。

そうですか、風牙様の世代ではどれも当然の事だったのですね。
確かに、友人は顧問の先生をよくは思っていなかったのでしょうが、剣道自体はとても楽しんでいるように見えました。

ただ単に、友人がその顧問の先生を嫌っていただけなのかなぁと言う気もしてまいりました。
当時、同じ様にその顧問の先生の指導を受けていた別の人に聞いてみると、よりクリアーに判断出来るのでしょうが…。

凛美優様》情報不足にもかかわらずご返答有難うございます。
もっと色々聞いておくべきだったと、後悔しております。
凛美優様の仰られた様に、イメージだけが先行していて、もうイメージと言うより、私の理想、もしくは願望の様な気がします。
実は私、技術の基礎の本ばかり読み漁り、理念的なものは後回しにしてほとんど勉強しておりませんでした。
正直、理念的なものは個々それぞれに解釈があって、内容にかなり差があるのでは、と疑っていたためどれに手を付ければ良いかお手上げ状態で、友人に聞いても、やってもいないのにそこまで勉強する意味が解らんと、一蹴されてしまいまいました。
確かに、もっともだなと思い、棚上げしていたのですが、ここに来てそのツケが回って来たようです。
枝を見ているだけでは、木の全貌は見えないものですね、お恥ずかしい限りです。
本をご紹介下さって、本当に有難うございます。
読んで、経験者の皆様の目線により近づける様、まだまだ精進するつもりです。

あと、凛美優様が間違っていると仰って下さった、私の考え方ですが、正直、まだ変わりません、これは多分、私自身理念を勉強していない為、理解が及んでいないものだと思います。
ただ、このような事を軽率に言ってしまい、読んだ方に不快な思いを感じさせてしまっていた事にお詫び申し上げます。
思った事を、先を考えずにやってしまう悪い癖が出てしまいました、本当に申し訳ありませんでした。

さて、だいぶ長くなってまいりました。
あ、最後に凛美優様、どうか私の事を『先生』と呼ぶのを勘弁していただけませんでしょうか?私、恐らく凛美優様より若輩者ですし、剣道経験者でもありません、『先生』と言われると完璧なイメージがあり、今後このサイトで質問する事が出来なくなってしまいそうです。
平にご容赦下さいますよう、お願い申し上げます。

本当に最後に申し訳ありませんが、ご回答下さいまして誠にありがとうございました、本当に勉強になりました。
また、お目にかかる事がございましたら、ご叱責、ご意見、うかがわせて頂ければ幸いです。

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