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メキシコの剣道 その2
日時: 2012/02/06 06:27:31
名前: ぎょにい < >

皆様

いかがお過ごしでしょうか。こちらはメキシコとはいえ、高地にある町なので、夜は時々0度近くまで冷え込むことがあります。

さて、私どもの道場は、平日は夜の9時から11時まで稽古をしているのですが、まあ、だいたいいつも帰るころには日付を跨いでいます。

稽古が終わると、みんなで輪になって座り、その日新しく学んだことや疑問に思ったことを話し合うことになっています。

先日、私が初めて早素振りを連続で200回できた日の終わりに、先輩が私にこう質問しました。(ちなみに、私のところでは時々一列に並び、最初の脱落者が出るまで早素振りを続けるというゲームをしています。)

先輩>「剣道が強くなるためには、何が一番強くならなければならないと思いますか。」
私>「ええと、技術(テクニカ)ですか?」
先輩>「いいえ、心(コラソン)です。」と、自分の胸を拳で叩きながら、答えました。
私が、早素振りが200回しかできないのは体力がないからではなく、また、自分が試合に負けたのは相手より技術が劣っていたからではないと言うのです。
心で本当に願うなら、必ずそれは実現できることだと、大きな目をいっそう大きく見開きながら私に説明してくれました。(彼のあだ名は宇宙人。)

うちの道場は「道場」という名前のイメージからはほど遠く、トタン屋根にコンクリートの床、壁はなく工事現場用のシートで周りを囲ったものです。天井から吊るされた裸電球は私が知るかぎり、2回竹刀で叩き割られています。

その、裸電球の下、コンクリートの床に若者たちが輪になって正座し、吐く息も白く、剣道の哲学についてスペイン語で語り合っています。

街中では兵士たちが機関銃で武装した車で走り回り、圧倒的な武力を日々見せ付けられているにもかかわらず、それでも、心の強い人が本当に強いという、この純粋な若者の言葉を私も信じたいと思います。

この地球の裏側に位置する国の、さらに片田舎で凛々しい剣士が育っていることをご報告したく、スレッドを立ち上げた次第です。

それでは皆様、厳寒の折、お体を壊さぬようご自愛ください。
失礼いたします。

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Re: メキシコの剣道 その2 ( No.1 )
日時: 2012/02/07 00:34:27
名前: いもむし

ぎょにい様

 こんにちは。
 
 早素振り200回、すごいですね。
 今度はもうだめだ-と思ってからプラス10回やってください。自分に勝つということです。
 でもあまりやりすぎないで下さい。毎日びしっと50回のほうが効果ありますよ。
 
 いやーいい先輩ですね。そのような先輩と稽古していけば間違いありませんね。
 
 基本を学びながら、技の稽古をしてある程度できるようになってくると
必ず壁にぶち当たります。勝てなくなるのです。これは技術的な問題ではなく
心の問題です。それで悩んで悩んで本を読んだり、色々な人と話したりして
ぼんやり風景を眺めていてふっと解決したりして一歩前進します。剣道はこれの繰り返しだと思います。
 「心技体」 心が最初ですからね。
 
 壁を突き破った時はそれは天にも昇る気分ですよ。
 「そうかぁ」「でもこんな簡単なことがなんでわかんなかったんだろう」
 ていつも思います。
  
 本当に恐ろしく強くなれるのは、機関銃でもなく日本刀でもなく人だと私も思いますが、機関銃の前で本当に自分の正義が主張できるのか?
 まだまだ修行が必要ですね。
Re: メキシコの剣道 その2 ( No.2 )
日時: 2012/02/07 02:30:08
名前: ぎょにい< >

いもむし様

いつもお返事していただいて、ありがとうございます。

早素振り200回は、すごかったのですね。少し嬉しいです。なにせ、体力の塊のような人たちと練習しているので、気がつきませんでした。

実は先生によると、私は在住する州(メキシコは国土が広いので、県ではなく州が行政区分となっています。)唯一の女性剣道家だそうです。

時折、若い女性が入門するのですが、すぐ辞めてしまうそうです。
私が想像するに、こちらでは剣道というと、アニメのイメージが先行してしまいがちですが、実際やってみると非常に地味な稽古を汗だくになりながら毎日繰り返さなければなりません。
それで、がっかりして辞めてしまうのだと思います。

また、メキシコでは(特に地方では)レディファーストの風習がまだ残っていて、女性は男性の庇護のもと、エレガンスに振舞うということが多いです。
例えば、車に乗るとき、サッと助手席のドアを開けてもらったり、荷物は全部男性が持って、前をすまして歩くなどです。

これは、日常的にはいいことだと思いますが、剣道の稽古となるとレディファーストはまったくなくなります。
私も初めて竹刀をかまえて、向き合ったときの男性が放つ気迫に文字通り足がすくみました。(今は平気です。このことだけでも、剣道を始めてよかったと思っています。)
私としては、同性の仲間が欲しいところなのですが、気長に待つことにします。
Re: メキシコの剣道 その2 ( No.3 )
日時: 2012/02/09 07:09:34
名前: いもむし

ぎょにい様

 早素振り200回はすごいですよ。最初は足使いできなくて、30回でもハアハアいってたんじゃないですか。それから比べればすごい進歩ですよ。
 
 色々なことが出来るようになる喜びをたくさん感じながら剣道を楽しんで下さい。

 エレガンスに振舞うメキシコの女性とのことですが、剣道も基本をしっかり習得している人は、構え、打突姿勢等がとてもエレガンスですよ。

 「わぁーきれいだなー」と思う人を何人も拝見しました。きっと真っ直ぐな心で無駄な力とか動きとかがなくて、謂わば機能美ともいうべきものなのでしょう。

 ぎょにい様も、その先輩について稽古していけばきっとエレガンスな剣道になると確信致します。そうすればきっとメキシコの女性の心を動かすことができますよ。小手はくさいですけどね。

 ぎょにい様の言われるとおりあせらず、じっくり稽古して気長にがんばりましょう。
Re: メキシコの剣道 その2 ( No.4 )
日時: 2012/02/07 10:27:13
名前: ぎょにい< >

いもむし様

はい、ありがとうございます。
これからも地道に続けていきたいと思います。

いもむし様もお体に気をつけて、元気にお過ごしください。

追伸。「いもむし」はスペイン語で「グサーノ」です。

それではまた。セニョール・グサーノ。
Re: メキシコの剣道 その2 ( No.5 )
日時: 2012/02/08 11:18:42
名前: いもむし

ぎょにい様

 素振りについてですが、以前ここの掲示版で「息子(8歳)と毎日400本やると決めて実施している。」と書き込みしましたが、現在息子は休止中というか本数を50本に減らしています。(私は実施していますけど)

 というのも400本素振りできるには出来るのですが、疲れてくると手首が固まった素振りになってくるからです。なんとなくわかりますか?振りきる最後のところで手首が伸びず剣先が天井に向いてしまうのです。(腕だけでふってる状態)

 この状態で400本素振りをすると、その癖がついてしまいますのでやめさせましたそして、左手で真っ直ぐ振りかぶり、振り切ったとき手首が伸びているか、左手は水月の位置、右手の高さは肩の高さになっているか、1回1回確認させながら50本やっています。

 200本、400本と本数多く素振りをすると最初はぶんぶん力をこめて振りますが、回数を重ねてくると無駄な力を使わずに剣を振ることができるようになります。
 人間は合理的に出来ていると思われ、回数重ねていると「こんな力入れていてはかなわない」と力をいれずに木刀(竹刀)の重さを利用した鋭い素振りになるようです。(ある意味楽をしようとする?)これが剣道ではとても大事です。

 というわけで、本数多く素振りをすることは大事なことですが、癖がある場合には、それを助長させてしまいますので、そこの兼ね合いを考慮されたらよろしいかと思います。

 ちなみに息子は道場で週1〜2回は普通の素振り、早素振り300〜400本づつ合計600〜800本やっています。(子供達は泣きべそかく子もいますが、振り切ってしまいます。すごい根性です。)

Re: メキシコの剣道 その2 ( No.6 )
日時: 2012/02/09 03:50:55
名前: ぎょにい< >

いもむし様

私のような面識もない初心者を気にかけてくださり、真にありがとうございます。
仰るとおり、素振りを何回もやって疲れてくると、腕が固まった状態になります。先生にもよく注意を受けています。

先生や先輩方の素振りは、「ヒュッ」と空を切る音がするほど速いにもかかわらず、目的の位置にピタッと止まり、まったくぶれません。

このあいだ、木剣で腕の振り方の見本を見せてもらったのですが、左手だけで振り下ろしたにもかかわらず、相手の額から3センチほど上でピタッと止まりました。何回やっても、同じ位置に止めることができるようでした。

私といえば、日本剣の型の一本目の練習で木剣を相手の額にかなり強く当ててしまったことがあります。

これから、できるだけ正しいフォームで素振りができるように、先日書いていただいた少ない回数で正しく振る練習も日々の自主トレーニングに取り入れようと思います。

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