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日本剣道形の教え方について
日時: 2007/10/18 23:03:48
名前: 凛美優

今日、お稽古が終わり、居残りで大学生の7・8名が今週末の昇段審査のため剣道形の練習を熱心にしていました。私的に見て、到底合格しそうにない程のバラバラの状態でしたので、放っておけず、幾つか教えてあげました。こうやってやるんだよって。しかし、若くて賢い大学生のはずなのですが、何度やって見せても、うまく身体が動かず出来ません。例えば、1本目の打太刀の初めの面は右足に続き左足を引き付けるとか、3本目の打太刀の足の順序(左・左と続く所)とか、4本目の正面切り結びの位置とか、6本目の残心時の両者の動きとか、7本目の仕太刀の目付けとか、もう打てない位たくさん。一応、言葉と、スーパースロー実演と、意味の説明を簡単な表現でしているつもりなのですが、本人は分かったと言うのですが、直後、やってみると直っていない、みたいな状態で・・・。自分が学生の時、そんなに直すの大変だったっけ?なんて思い出しながら、考え込んでしまいました。究極の形の実演ではなく、取り敢えず動作の順番に従った動き形を目指すという感じでやってるつもりなのですが。器械体操のように特殊な動きではないけれども、どうしても身体が違う動きをしてしまうらしく、結局、直せませんでした。難しいですね。皆さま、追い込まれた審査前の剣道形詰め込み邪道練習って、どんなふうにご指導されていますか?もしよろしければ、経験談を是非ご教示ください。

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Re: 日本剣道形の教え方について ( No.1 )
日時: 2007/10/18 23:33:17
名前: 大根ママ

こんばんは。お疲れ様です。

教えてくださる先生方も大変なんですね。。
大学生に代わりましてお詫びします(詫)
なんだか大学生の気持ちがとてもよく分かります。
こうでもない、ああでもない。
言葉としては分かってるんですが動きができない。
本当に身に染みて分かります。
どうぞ匙を投げられないで
宜しくお願いします。
Re: 日本剣道形の教え方について ( No.2 )
日時: 2007/10/19 01:20:54
名前: いちわ

こんばんは。
「覚え方」の時は大変お世話になりました。今度は「教え方」なんですね(笑)
「邪道」と来たら私かなとか思って書き込みます^^;
昇段審査が今週末とは、いささか時間が無さ過ぎる感じですね。。
でも、なんとかしたい、というお気持ちは分かりますし、私もなんとか恩返しが出来れば、と、一生懸命考えをまとめてみました。

まとめたわりにはまとまってない書き方をすると思いますがご勘弁を。。

まず、ひとつの動作には必ず理由付けをすると納得しやすいと思います。
(って、既にそうされていたらすみません)
たとえば一本目の打太刀の面を打った後の左足のひきつけ、これは単に
「やあっ」って面を打った後に足を引き付けないとヘンでしょ?普段の面打ちも普通に足を引き付けるでしょ?と、軽く言う・・・←実際私がそう言われて納得したセリフですが^^;

あと、「覚え方」の時にだみ声さんに教えていただいて有効だった内容、「約束事、ルール」の再確認をさせる、のもいいかと思います。
「前進は前足から、後退は後ろ足から」
「動き始め」の注意点として、必ず「打太刀」が始動して、それに合せて仕太刀が始動するということ(逆に例外は凛美優 さんが私に教えてくれた「6本目以外は、仕太刀が打太刀より先に動くことはない」というふうに再確認させるとか)
「打太刀が正眼に戻さないでおれば、仕太刀は残心状態を維持し続けることになる」ということなど

3本目の打太刀の下がるときの足の動作、「突いて右下がって左下がって左右左」・・・これは、打太刀が仕太刀の水月を突いたとき、右足が前に出てるから、けど次に下がるのは右足ですからルールに反しますよね、でも、これは「突いた」ところで一旦頭を切り替えさせて、とにかくここは「右、左」という順序であることのみ覚えさせて、そうすれば後あとは、左足が後ろに下がっているのだからルール通り左から下がれるので「左右左」と、めでたく下がれる、というのはどうでしょう?^^;←かえって煩雑?!(汗)

あとは・・

邪道だから何でもアリという考えで書きますけど、
それぞれにストーリー性に対して、セリフをつけてしまう。
6本目の打太刀が小さな小手を打つけど仕太刀に小手を打たれたので「やられました」という風に、しょんぼり刀を下げる、みたいな^^;
7本目、胴を打ったあと、膝をついてた仕太刀と向き合って、後ろに下がる場面は「おいで」って仕太刀を引っ張ってあげるように、と説明する、とか・・・

私はまだ本当の形の内容をよくわかってないので、こんなめちゃくちゃなことを書いておりますけれど、本来は違うのだ、もっと深い理屈があるのだ、ということはよーーーくわかっているつもりです。
ただ「邪道」でいい、とおっしゃるから、こんなバカみたいな内容ですけど、書きました。。
参考にもなりはしないでしょうが、できるだけ枝葉をとりはらった説明を、冷静に、軽くおっしゃってあげるといいのでは・・・と思います。

私は教えてもらう側なので、教えてくださる先生の試行錯誤ぶりは大変なものと察します。
頑張ってくださいね。




Re: 日本剣道形の教え方について ( No.3 )
日時: 2007/10/19 03:02:09
名前: ママ

こんばんは、凛美優さん。

私は、学生と社会人の剣道形の覚え方は違うと思います。
まず、受験慣れしている若い彼らは、ややこしいことは抜きでマニュアル通りに覚えるのは得意。それも、短時間で。

私が高校生のときに覚えた形は、ほんの1時間先生に教えていただいただけで、3本覚えました。「こうして、ああして、こうするだけ!」なんです。見事にすぐに忘れました。

>1本目の打太刀の初めの面は右足に続き左足を引き付けるとか
 これは、自然と普通に剣道をしていればなるはずですよね。まあ、これは治るとして。

>3本目の打太刀の足の順序(左・左と続く所)
 これは、足の一連の動作として右、右、左、左、左、右、左と一挙に足だけ覚えさせるか、前、前、後ろ、後ろ、後ろで歩みながら下がるとか言う感じでマニュアルにします。

胸部突きだの、喉元、咽喉だの教えていたら、まず時間が足りないのもあるし、彼らはきっと「さっと覚えたい、いかに要領よく覚えるか」と言う頭が先に回っています。そして、まず一連の動作ができるようになってから、時間があれば、意味を説明したり、目線の付け方なんかを説明していく方が覚えると思います。

私が学生の時と違うのは、意味がわからないと覚えられないのです。たぶん、いちわさんがご苦労されているのは、その辺りと思います。社会人になって形を覚えるのは、本当に大変なんですが、理解しながら覚えるので一見時間がかかっているかのように見えますが、審査の時に見ていると社会人の形は、きれいです。学生の形は、素早く粗相がない程度にコンパクトにまとめて覚えているのですが、どうも何かが足りない。

それは受験のためにやるには、必要最低限で終らせようとして、一連の動作だけを覚えているのだと思います。だから、同じ段を受けようとする学生と一緒に形を練習すると、出て行くときから動作に入って終って下がるときまでがほとんど同じスピードなので、私が合わせる役になります。たぶん、覚えたことを急いで出してしまわないと、頭で丸暗記状態なのでわからなくなるんでしょう。社会人は、頭と体で覚えようとしているといった感じでしょうね。
要するに、審査を受けるまでに練習した量が違うのです。本当は、動作を覚えたら、今度は一つ一つの意味を覚えていかないといけないのに、その分が抜けているのだと思います。

>7本目の仕太刀の目付け
なんて言うのも、一緒に練習していたら、「そうじゃない!」って言うくらいあっさりしたもんです。

私と一緒に3段を受けた高校生、審査前日に動作すら覚えていなくて相当怒られてましたが、合格しました。たぶん、審査の時は学生同士だから、私たちみたいにゆっくり入ってきて、動作は素早く、終ったら相手を見据えながらゆっくり下がるなんてやっていないと思います。試験前の丸暗記状態です。とりあえず合格したらいいのです。私が高校生の時に審査を受けたときもそんな感じでした。でも、今は完璧に近づけようとしていますが、高段の先生から見たらまだまだでしょう。

でも、そうだから、学生の形が悪いとは思っていません。きっと、それがわかるようになるには、試合剣道を通り越してもう少し剣道を続けたら、本来の意味がわかってくると思います。

でも、教えるのも大変ですね!お疲れさまです。

Re: 日本剣道形の教え方について ( No.4 )
日時: 2007/10/19 06:40:12
名前: いちわ

おはようございます。
うぅ〜む。。ママさん、鋭い!!
対象者の頭の中を分析されてのご発言、感心してうなってしまいました(笑)「学生と社会人の剣道形の覚え方は違う」と!!
そうですよね、そういうのって大事かも!!頭の中が違うんだ!!発想とかが。朝からすごい納得してます(笑)これまた子供だとちがってたりするんでしょうね、すごい〜、そうだわ。。
失礼しました^^;頑張ってください!!
Re: 日本剣道形の教え方について ( No.5 )
日時: 2007/10/19 08:01:51
名前: tiki

凛美優さん、こんにちは。

上手な形の教え方ですか?ん〜。

>私は、学生と社会人の剣道形の覚え方は違うと思います。
まず、受験慣れしている若い彼らは、ややこしいことは抜きでマニュアル通りに覚えるのは得意。それも、短時間で。

ママさんのカキコのこの部分、かなり学生さん達の意識を網羅していると思われます。

ここからは個人的な意見ですが、小・中学生あたりならばかたちから入って、後に形本来の意味を覚えていくという手段も有効なのかもしれませんが、大学生(高校生あたりも含む)ぐらいであれば、形そのものの意味を踏まえて理解していってもおかしくないと考えます。
そういった意味からも、大学生くらいであれば凛美優さんの現在の指導で、
>一応、言葉と、スーパースロー実演と、意味の説明を簡単な表現でしているつもりなのですが、
間違っているとは思えないですが・・・。

そもそも形自体が一朝一夕で成りうるものではないと思いますので、毎日少しずつでも練習していくしかないと考えます。
それで審査で落とされるのであれば、自分の実力がなかったと反省して次回また励めばよいのかなと思います。

ちょっと辛口ですかね。
参考にならなかったら申し訳ありません。
Re: 日本剣道形の教え方について ( No.6 )
日時: 2007/10/20 12:07:48
名前: 凛美優

皆さま。早速に多くのご回答ありがとうございます。私、昨日、仕事で帰りが遅く、今日、先程起きました。返信が遅くなり申し訳ありません。

本日、夕刻より剣道形の合同の最終練習があります。その際、本来あるべき姿ではないことは重々承知の上で、現代学生さまの方々に、皆さまのご意見を踏まえ、次の通り指導することにします。

@ 本来はこのままでは合格は無理と明言する
A が、しかし、時間とお金をかけてやる気をもって取り組む訳だから、最後
 までしっかり頑張る
B 簡潔マニュアル主義に徹する
C とにかく動作順番を優先とする
D 審査後も引き続き形の練習を実技練習と平行してやることを誓わせる
E 今日、これで駄目なら対戦相手に失礼のない形で潔く全員審査に落ちる
                               以 上

明日、私、審査場の立合い係を務めます。
審査員は、公平性の観点から全員、東京都剣道連盟の指定審査員の大先生を派遣して頂き審査を行います。その先生方からどんな講評が出るか少し不安です・・・。いろいろあります。
ふぅー・・・。結果の詳細は、皆さまに必ず報告します。
Re: 日本剣道形の教え方について ( No.7 )
日時: 2007/10/21 00:36:40
名前: 凛美優

皆さま。先程、お稽古より戻りました。皆さまから頂戴したご意見をもって、練習に臨みました。結論から言うと、ネガティブでした・・・。すみません。自分の指導力のなさにガックしデス。せっかく教えて頂いたのに、本当にすみませんでした。

状態としては、練習生の諸君は、練習はじめと、練習おわりとで、ほとんど出来の具合に変化はありませんでした。意味なかったってことなんですが、そうは思いたくないんです・・・。

今日は、学生の他に、他道場の社会人の方も来ていて、大勢で一緒にやりましたが、竹刀の操作と木刀の操作と、事情が違うようで、実技はそこそこでも、形になると途端にレベルが共通化します。竹刀剣道・スポーツ剣道の弊害を垣間見ました・・・。

どうも木刀を竹刀に見立てている様子で、刀のそりとか、刃筋とか、刃の向き、しのぎ、むね、よこて、切先、こしのぎなどの概念がないようで、そこに意識がいかない様子デス。3本目、4本目、7本目の突きや突きの受け方(よけ方)が全部同じになってしまうとか、構え(上段、八相、脇など)も何か格好付けてるんだけど、やっぱり格好悪いし、手首の動きもぎこちない感じがして、もう何て言っていいか分からなくなって、本人たちはもう真剣にやっていますので、私、最後は何も言えませんでした。がくっ・・・。本当は、竹刀を刀に見立てて欲しいのですが・・・。

いや、ほんとうに、難しいです。私、今日は、ちょっと指導者として限界を感じましたね。いやー、ホント、教師にならなくてよかったと、違うことさえ思い浮かびました。

やっぱり、はじめから本物の刀(せめて歯止めのしてあるもの)を手に取って普段から慣れておくことが必要なのでは・・・と思いました。私の場合は、刀を持って自分なりに理解が深まりましたけど、危ないとか、いろいろな事由でやっぱりダメなんですかね?

明日の昇段審査、ハラハラ・ドキドキです。また連絡します。
Re: 日本剣道形の教え方について ( No.8 )
日時: 2007/10/21 22:34:36
名前: 凛美優

いろいろご教示頂きました皆さま。本日の昇段審査結果のご報告です。話題となっておりました私が接点を持ちました若者たちは、全員、各段位毎に合格しました。ありがとうございました。

私、立会いをしておりまして、個人的にはどうかな?と思った組もありましたが、結果的には合格してました。

合格した生徒や学生や社会人の方は、皆、嬉しそうにきらきらとしていました。ほんの数時間前にはまだ前の段位だったのですが、合格し昇段すると、何か自信のようなものが出てきて、雰囲気的に少し大きくなったように見えました。段が人を作るというのは、本当なのかもしれません。

皆、段位の取得によって、大きな自信を剣道人としては勿論、人間の成長の過程においても、大きく一歩前進したような雰囲気をはっきりと感じました。

剣道の剣技も日本剣道形も、まだまだしっかりしたものではありませんが、その努力の過程から、彼らは人として一つ大きくなったということを、私は身肌で実感できましたので、それですべてよしと思いました。

審査長の最後のコメントは、合格してもそれで終わりとせず更に修練すること、でした。皆さま、本当にありがとうございました。
Re: 日本剣道形の教え方について ( No.9 )
日時: 2007/10/22 00:34:16
名前: 大根ママ

おめでとうございます。
凛美優先生が「無駄だったのかもしれない。」と
思われていた指導はけして無駄ではなかったのです。

考え方かもしれませんが懸命にやったことについて
無駄ってあまりないのではないかと思っています。
ここでどなたかが落ちられても落ちた方は成長するでしょう。
自分の事ですが、歩みののろい亀でも半歩でも進んでいれば
いつかはゴールに届くでしょう。

合格された若者達はきっと形に対する心構えが違ってきたはずです。
それが今後に生かされることでしょう。

私事ですが形の練習を自ら邪道な新聞紙相手ですが
やっているから大学生の苦労が分かりました。
分かるということは素敵な事だと思っています。
人としての幅を広げる事が出来ると思っています。。

よかったですね。
お疲れ様でした。。



Re: 日本剣道形の教え方について ( No.10 )
日時: 2007/10/22 08:21:15
名前: tiki

皆様合格されたとのことで、おめでとうございます。

それぞれの方々が『今後』につなげていければ良いのかな、とも思います。

Re: 日本剣道形の教え方について ( No.11 )
日時: 2007/10/22 15:59:03
名前: ママ

凛美優先生お疲れさまでした。ちょっと気になっていたのですが、うちの子が試合で、応援に行っておりました。

さて、ご指導なさった方々の全員合格おめでとうございます。大変でしたね。

>皆、段位の取得によって、大きな自信を剣道人としては勿論、人間の成長の過程においても、大きく一歩前進したような雰囲気をはっきりと感じました。
凛美優先生、きっとこれでよかったのではないでしょうか。

最終的には私は、形はもちろんですが、最終的には剣道は「礼に始まり礼に終る」と言うように、昇段によりその人の心の中にハリが出て、自信に溢れてまた剣道のみならず、すべてにおいて励むということになれば、それが一番だと思います。

きっと、先生のこと感謝していらっしゃいますよ。生徒さんは今は、もし理解できなくとも、必ずそのうちご理解できますよ。

さて、うちの会の子供たちの剣道の試合でなぜか「面抜き面」が流行っていてうまく決まらない。2人を合間に呼んで、一本目の形のように足、体、手の捌きを教えたら、次の試合からうまく決まるように一人はなりました。少しコツが掴めたようです。剣道が上手くない私でも「形って、本当に実践に活かせる」と感じています。これも、今年昇段させていただいた恩返しのつもりです。

>木刀を竹刀に見立てている
そうなんですよ。木刀は曲がっているのに、竹刀はまっすぐですし、長いですからね。木刀に慣れ親しんでいたら、竹刀のつるの方向を間違って持ったり、素振りが曲がっていたりしないのに。また、抜き胴もあんなうち方しないのにとかよく思います。形は、本当は大事なんだと痛感しています。きっと、私の足捌きも、形を稽古することによりもっと良くなると思います。

私、まだまだだなあ・・・溜息
Re: 日本剣道形の教え方について ( No.12 )
日時: 2007/10/23 01:56:25
名前: 凛美優

ご返信頂きました先生方、本当にありがとうございました。このサイトを通じて、皆様にめぐり会えたことを大変嬉しく思っています。

私も来年5月の昇段審査を目指して、日々努力をしています。

たくさん、そしてたくさん、今後もご指導頂きたく存じます。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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