Re: 息子が剣道初めてまる1年になります。 ( No.1 ) |
- 日時: 2008/01/17 01:46:52
- 名前: 凛美優
- 『青空の扉』先生。はじめまして。
お話しの前に少し余談ですが、『青空の扉』というお名前はとてもいいお名前ですね。私、子どもの頃、空の水色がとっても好きでいつも見上げていたんです。だから『そらくん』って皆から呼ばれていました…。
すみません。本題に戻りまして、胴の打ち方ですが…。小学3年生に胴の打ち方をマスターさせることは、かなり難しいことだと思います。
剣道では打突が『一本』になるための要件が規定で定められています。『一本』のことを『有効打突』といいます。この『有効打突』は、何段になってもなかなか出来ないものですから、小学3年生ならばこれ位であれば十分であろうという審判員としての見解で、以下の通り記します。よってそのことが、小学4年生、5年生、中学生、高校生と進学していくと、それに応じて要求レベルも上がりますから、それを前提に一読してください。またあくまで私一人の見解ですから確実普遍のものではありませんので、念のため。
子どもの打つ胴技として注意すべきは、やはり打つ場所と刃筋と体裁きだと思います。大人になると、その他に攻めとか技の起こりとか姿勢とか気剣体一致とか残心とかありますが、取り敢えずはという点から。
打つ場所は、相手の右脇腹辺りで、おなかやおへその辺りではありません。なので打つ時は、左手は自己の体の中心で右手首を右親指の方へ胸の辺りで切り返して、腕はなるべく伸ばして、なるべく前で打ったほうがいいと思います。
刃筋とは、刀を振る軌跡と刃部の向きが一致しているということで、4つ割り竹刀では弦を張っている面の裏側が、打突部位に当たっていることが大事です。そのためには、中段から自分の胸辺りで竹刀を切り返し、胴へ向けて竹刀で打つ、という格好になります。それをぴっと素早くやらないと、相手の打ちの方が早く、打たれてしまいます。
体裁きですが、竹刀の胸辺りでの切り返しと同時に、右足をやや右斜め前に前進して、右足踏み込みと同時に胴を打ちます。その際に前かがみになったり、首が右に曲がったりせず、身体を起こしたままで相手の身体の中心線上から裁くということがポイントかと。左足を先に出して左足踏み込みで相手の右胴を打つという技もありますが、それはちょっと上級編。
打ちは、腕を大きく振り回して打つのではなく、胸辺りでコンパクトに切り返しなるべく手首のスナップを利かせて打つことが大事です。左手を竹刀から離さないように、ちゃんと握って打ちます。
鍔競り合いからの引き胴という技も有効です。相手の右こぶしをぐっと押し下げて、相手が反発して右こぶしを上げた処を、下がりながら切り返して引き胴という展開がベーシックです。この場合も素早い手首のスナップが効いた打ち、そして打ちと踏み込みと気合がしっかりしていて一致していると有効です。
胴技は、相手が中段に構えている場合、相手に何も変化がない段階で一方的に打ちにいっても、絶対に有効打突にはなりません。有効打突にするには、打つ前に、相手の構えを崩す、あるいは相手に面を打たせるよう誘い引き出す、あるいは相手の技を応じる・余す・打ち落とす等のアクションが必要です。小学生ですから、余程の達人でないと難しいのですが、そういうものだと今は漠然とした把握でいいかと思います。
あまり参考にならないかもしれませんが…。やはり剣道は、言葉も大事ですが、指導者が実演・実践して眼で見せて指導しないと、聞き手は分かりにくいですよね。すみません。
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Re: 息子が剣道初めてまる1年になります。 ( No.2 ) |
- 日時: 2008/01/17 22:59:31
- 名前: 青空の扉
- 凛美優さん、はじめまして。
丁寧にお返事して頂き心より感謝です。ありがとうございます。 大変参考になりました。なので「すみません」は×です。 何度か読み返しているうちに少しずつですが分かりかけてきました。 息子には、見て、やって、学習するのが一番かもしれませんが 親として何か教えられることがあればと思い書かさせてもらいました。 こんな詳しく教えて頂けるなんて思っていなかったので本当にうれしいです。 ありがとうございました!
凛美優さんの「そらくん」はかわいいニックネームですね。 「青空の扉」は私が大好きな浜田省吾さんのアルバムタイトルです。 浜田省吾さんも小学生の頃剣道を習われていたそうです。
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Re: 息子が剣道初めてまる1年になります。 ( No.3 ) |
- 日時: 2008/01/18 01:30:53
- 名前: ママ
- 青空の扉さん、こんばんは。
とっても素敵なお父さんですね。うちは、パパは全くと言っていいほど、武道全般、ましてや剣道なんてわからないし、理解しようとはしていません。 私と子供が勝手にやっていると考えているようです。羨ましい限りです。
さて、愚痴はともかくとして、胴打ちの打ち方は凛美優先生のご説明通りだろうと思います。
ただ、抜き胴って相手が打ってくるところを抜いて(表現は、自分の方から相手を誘い出して打つので、後手で打つのではなく先で打つのですけど)打つのですが、これが相手の近くに行き、面ががら空きになるから、打つ方にとっては稽古を積んでないと怖い技なんです。ある意味面を打つより、怖いかな?
それで、基本稽古で出来ても思い切って出せないってこともあるのではないでしょうか?まあ、子供ですから、物怖じしないところもあって、一番良いのは、自然に出来るようになったって言うのが良いのですが。
高校で突然始めた私、当時抜き胴が怖くて、小手、面、引き胴、引き面、連続技、突き、飛び込み胴ができても、抜き胴がうまく出来ない。基本の技のバリエーションが一つないってのは痛手でした。怖いから、胴を見ていない、相手を見ていない、ないないばかりで。 で、今は再開してやっと怖くなくなりました。長かった。
と、話はそれましたが、子供さんは、本当の試合では、ひょっとしてまだ怖いかもしれないので、まず基本稽古で例えば抜き胴の練習があったら、「今日何本成功した?」とか、地稽古で「失敗してもいいから、今日何本抜き胴が出せた?」ってお風呂に入りながら聞いてあげるといいかもしれません。1本成功したら褒め、2本成功したら、また褒め、そしてもし試合で失敗しても、チャレンジしようとしたら褒めって。だって、本当に怖い技ですから、勇気要りますよ。
本当は、息子が小手にチャレンジしたら○、抜き胴にチャレンジしたら◎って褒めようと思っているくらいです。
以前は効果覿面だったこの戦術が、ちょっと息子に効かなくなってきて、この魔法の言葉も、変えないとなあ。
※凛美優先生の少年時代の「そらくん」かわいいですねぇ。
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Re: 息子が剣道初めてまる1年になります。 ( No.4 ) |
- 日時: 2008/01/21 00:18:55
- 名前: 青空の扉
- ママさん、ありがとうございます。
胴打ちは勇気がいる技なんですね。 昨日今日と練習の際に、息子に「失敗してもいいから試してみれば」と言いいましたが、なかなか簡単には打てないようです。
我が家はママさんのお家とは逆で。。練習のときは他のお母さん方にまじって見学したりお茶当番などしています。 練習は小学校の体育館で行っていますが、冷たい床を素足で頑張っている子供たちを見ていると元気がもらえます。 今日も体育館のマットに座って凛美優さんに説明して頂いた内容をプリントアウトして何度も読み返していました。 凛美優さんやママさんのような経験者の方にアドバイスを頂け嬉しい限りです。 今後もよろしくお願いします。
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