Re: 剣道の精神と理合に適った技…か?右面技。 ( No.1 ) |
- 日時: 2009/09/08 08:13:17
- 名前: 兵庫助<
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- URL: http://www.kcc.zaq.ne.jp/hiranokendo/
- 凛美優さん、お久しぶりです。
悩んでおられるのに、どなたからもレスがないので、私のような素人がと思いましたが、私の感想を書き込みます。 有功打突としては、試合・審判規則に左右面も規定されているわけですから、刃筋が通っており、その他の有功打突の条件が整っていたとすれば、有効だと思います。
ただ、その先生は、確かに当てられたけど「まいった」と感じなかったのではないでしょうか。 私が若い(20代の)頃指導を受けた、武専出身、県警の主席師範も務められた範士の先生は「手で打つな、身体で打て、身体で打つな心で打て」とおっしゃいました。 私はその言葉がずっと印象に残っており、生涯をかけて、自分の心で相手の心を打つ剣道を目指していきたいと考えています。
そういう観点からみると、今回の状況は、相手の心まで打っていなかった、心に響く打ちではなかった、ということではないでしょうか。
先生は、凛美優さんの実力から判断して「あなたなら、当てるという結果を求めるよりも、もっと上を目指しなさい」ということが言いたかったのではないでしょうか。 それだけ凛美優さんの実力があるということだと思います。
私が疑問に思ったのは、凛美優さんはなぜそこで小手を打たなかったんでしょうか? 書いておられる状況では、小手にいくのがより自然かなとも思うのですが・・・ そういう状況ではなかったのか、あるいは凛美優さんはかなり身長が高く、小手よりも面に変化したということでしょうか。
私は未熟ながら、居合も少々稽古していますが、確かに今回のような打突は刀ではできないだろうなとは思います。
何か中途半端な話になりましたが、そろそろ出勤の時間です。 未熟な素人が僭越でしたが、他にレスがないので、一応先輩七段として、私の感じることを書きました。 また、時間があれば、よく考えてから書き込みます。 失礼。
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Re: 剣道の精神と理合に適った技…か?右面技。 ( No.2 ) |
- 日時: 2009/09/09 00:24:17
- 名前: 凛美優
- 『兵庫助』先生。
お元気でしょうか。今日のお稽古は、気候が良かったせいか調子がよく、なかなかいい剣道ができました。
早速にご返信ありがとうございます。さすがは深く剣の道を追求されていますね。私も思いもよらなかったことを、いとも簡単にさらさらと分かるなんて。先生のお言葉、正直、心に深くじーんと響きました…。
響いた点は2つです。
@ 相手の先生は、透明な心で見ても『まいった』と思っていない。 A 今回のような打突は刀では出来ない。
です。
剣は心なり。やはり私の打ちは未熟でしたね。勝ちを制していないということですね。当たって喜んでいただけかもしれません。うーん…。改めなければ。反省です…。次回、そのスーパーな先生が道場に来たら、もう一刀流の正面技で合気の勝ちを目指してみます。
剣の理合と刀法。刀で出来ない技は、現代剣道のスポーツ的な独自我流技と言われてしまいますね。私も先ほど、先生のご指摘を受け、刀で少し振ってみました。確かに…。確かに、刀では円滑には出来ません。振れたとしても先に相手に斬られていますね。これでは、剣の理合から外れていることに相違ないですね。
あと先生ご指摘の、何故小手を狙わなかったか、という点ですが。 実は、私、面技にはこだわりがありまして、目上の先生に掛かって行く時には、必ず面技で、しかも1本打ち切り技で勝負し、有効打を取ることに専念していまして、自ら攻めて自ら小手技や胴技を繰り出すことは、自分の世界で少し自重しているのです。
かつて、外の地域の知らない先生に、小手や胴をしっかり取っても、『よく逃げたな』とか『小手に避けたな』とか言われたことがあり、正面技なら文句ないだろうと、ちょっと子どもっぽくこだわっていて、その時は、もう脳天を物打ちで打ち込むことしか頭になかったのです。無念無想の域にはほど遠いですね。
攻めた結果、相手の手元が上がった瞬間に間髪入れず小手を狙うのは、心技体の総合的な連動をもって成し得る器用で高度な技です。私も、なかなかキレイに決まったことは少ないです。
ご出勤の前にお忙しいのに、お時間頂きまして、ありがとうござました。先生のご指摘で、かなり勉強になりました。早速、次回から気持ちあらため、頑張ります。引き続き、ご指導をよろしくお願いいたします。
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Re: 剣道の精神と理合に適った技…か?右面技。 ( No.3 ) |
- 日時: 2009/09/09 07:17:10
- 名前: 兵庫助<
>
- URL: http://www.kcc.zaq.ne.jp/hiranokendo/
- 僭越なことを申し上げましたが、観点を変える何らかの一助になったとすれば、私もとても嬉しいです。
小手に変化しなかったのも、やはりそういう考えからだったのですね。 であればこそ、なおさら、今回の技は、打突部位こそ右面という「面」でしたが、結果的には、面にこだわりながらも、小手に変化したのと大差なかったということだったのではないでしょうか。
凛美優さんは、もっともっと上を目指される方だと感じています。 さらなるご精進を祈念いたします。
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Re: 剣道の精神と理合に適った技…か?右面技。 ( No.4 ) |
- 日時: 2009/09/09 23:49:03
- 名前: だみ声<
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- こう言う会話に出会うから、このサイトは見逃せないし、ますますのめり込んでしまうんですよねえ。
以下ボンクラ剣士の発想 防御姿勢で手元が上がったのだから、「ここっ」で防御をかいくぐる軌道を計算して、出た答えが裏をかすって右面なのだから、その通りに打って当たった一本に「文句あるのか?」、屁理屈言って、「負け惜しみだろが!!」。
なのに凛美優先生は、あえて思案を巡らせる… そしてお尋ねになる… 先に白状しますが、ぼくは「でも攻め勝った一本」なのだからいいじゃん。そしてどなたかの何らかの解釈を期待してました。 そして出張に出かけました。
兵庫助先生の解釈と凛美優先生のやりとりに… うーーーむ 脱帽!!
だれがどの角度から見ても、申し分のない一本とは? これを求めずして満足していては単なる井の中の蛙です。
じつに「実」のある素晴らしい解釈とやりとり、文章としては大して長くないけれど、多くの示唆に富んだ内容を感じて、ますますうれしくも元気が出るものを読ませていただきました。 感謝!
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Re: 剣道の精神と理合に適った技…か?右面技。 ( No.5 ) |
- 日時: 2009/09/11 07:42:48
- 名前: 雪月
- おはようございます。
先日この書き込みを読み、自分なりに考えてみました。
結局、自分は上段からの右半面か小手抜き左半面しか打ったことがないので、右面を使う機会がなく、木刀で振っていたら打ちにくいかな、という程度でしか技自体を理解できませんでした。
それゆえ書き込みをしていなかったのですが、3日ぶりに目を通したら先生方の考察が書かれていて、大変参考になりました。
自分で意見できなくても、先生方の書き込みを見て勉強できるのはこのサイトのいい点ですね。いつも参考にさせていただいています!
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