Re: 後ろに下がる ( No.1 ) |
- 日時: 2015/08/23 08:29:33
- 名前: だみ声<
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- この方は成人の初心者とのことですが、段をお持ちなのでしょうか? もし初段でも取っておられるなら、昇段審
査の時の立会はこんな後退はしてないはずです。 もしこれから初段を受けるということなら、この状態で不合格を 経験して修正する気になるのではないでしょうか? 多分後退することの可否についての理解をされてない状態なのではないでしょうか? そして成人だけに指導者も 厳しく指導しないでいるとも考えられます。 あるいは勝手に後退する剣道が正しい剣道なのだと勘違いしているのかもしれません。
剣道は打たれるリスクなしに打てるものではありません。 しかもこの方の場合、こっちが打たせるべく隙を与えて も、打ってこないのじゃないでしょうか? そして探し求めるのは確実に打てるタイミング(ありえませんね)で はないでしょうか? 結果として一本も打たないで稽古が終わりそうですね。
修正の方法はいくつかあると思いますが、剣道の勝負は「相打ち」が普通であって、後退して戦うこと自体勝ちを放 棄している事を知るべきです。 下がりながら打って勝つというのはかなりベテランでも難しく、高度な技術が必要 なことを知る必要があるでしょうが、何年も先のことです。
手荒な方法としては、道場の隅まで徹底的に追い込んで、身動きできないところへ押し付けてしまうことです。 ここまでやれば、普通には後退して戦うことのリスクがわかると思いますがねえ。 もちろんこの後、言葉で前に出 て打つことを立会の中で指導する必要があるでしょう。(人によってはプライドが傷ついたと思うかもしれません)
もう一つ、遠間のはるか向こうまで下がったとしても、こっちはそのまま構えて立っているのはどうでしょう? あえて間を詰めずにいるのですが、彼は近づいて来るのでしょうか? それともお互い遠く離れたまま、構え続ける のでしょうか? 「ではこっちが行きますよ」と、接近すると更に後退を続けるのでしょうか? 剣道の稽古風景 ではないですね。
初心者とのことなので、「打つべき機会」がわからないのだと思います。 攻める、溜める、崩す、乗るなどの理解が なく、単に相手の開いたところを打つのが剣道だと思っておられるのじゃないでしょうか?
手っ取り早いのは、当分地稽古でなく、「相い掛かり」で同時に打ち合う訓練がいいかもしれませんね。
>一歩も下がるなと言うのは間合いの調整などで無理ですが、 僕は無理を承知で、指導として「1ミリも下がるな」と言います。 学生の多くの初心者には、前後の動きでリ ズムを取って構え合うことも「無しだっ」と言います。 これは前に出て戦うためだと言い聞かせます。 鍔競り 合いから別れる時も、相手を多く下がらせろ! と指導します。 完全に下がらない剣道も不可能であることも説明 しながら、「下がるな」を徹底しております。 試合でも、「前に出て負けて来い!」と送り出します。 同じ意味で「引いて負けたら大目玉食らわすぞ!」とも言 います。
蛇足も含めて、こんなコメントになりました。 参考にならないかなぁ〜 なんて思いながら書き込みます。
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Re: 後ろに下がる ( No.2 ) |
- 日時: 2015/08/26 04:16:37
- 名前: かき氷
- だみ声 様
お世話になります。この人、初段は持っていたように思います。
> 「ではこっちが行きますよ」と、接近すると更に後退を続けるのでしょうか? まさにそんな感じです。
手合わせした手応えでは、他の格闘技から剣道に転向したような感じで体力だけはあるのですが、その運動神経を使って「エビ剣道」をされるので、こちらが振っても振ってもそのタイミングでヒョイヒョイ後ろに逃げていくので追い掛けるのが面倒くさいです。
しかもこちらが追いついて打ち込むと、こちらが入って来るのを待って棒立ちで振る打ち(踏み込みナシ)、もしくは両足で真上にジャンプして打ち返すおかしな癖があるので、何だかなぁ〜、と言う状況です。
> 道場の隅まで徹底的に追い込んで、身動きできないところへ押し付けて あいにく自分にそこまでの技量は無いですが、連続面などでしつこく追い掛けて、後ろに下がっても効果がない事を間接的に主張はしています。(追い掛けて連続技ばかりやっていたせいで久しぶりに左足の皮が裂けました)
> そのまま構えて立っているのはどうでしょう? これも考えましたが、自分の剣道に悪い癖が付くような気がして嫌だったので、敢えてひたすら追い掛ける事を選びました。変な癖の相手と稽古して悪い癖を移されてもたまらないですし、自分もまだまだ駆け出しで大手を振って他人様に指導出来る立場ではないので「こんな相手で自分の為になる練習法は」とだけ考えて行動しています。
> 当分地稽古でなく、「相い掛かり」で同時に打ち合う そうですね、上述の理由で自分が指導できる立場ではないですし、この人は先生のいう事は聞きます(聞いているつもりらしいです)が、それ以外の人となると相手を選ぶので、自分程度の実力だと「俺と同等」と捉え鼻にかけない感じです。
こんな調子の人なので、自分からは相掛かりを目指そうと思いますが地稽古で稽古している時に自分が「こうしましょう」と言うのは(不毛なので)差し控えています。他の初心者の方で「教えてくれるなら誰でも!」ぐらいえり好みしない人なら、地稽古中でも一緒にあれこれ試すのですが、問題の人は「先生と俺」の関係だけが大事なように思えます。その割に後退したり、先生の指導も聞いている「つもり」だけに見えますが。
それでも何かの機会に後退という観念そのものが剣道には殆ど存在しない事をこの人に説明できたら、と言うのがここに質問した理由です。口頭で「こういう知識がある」と言うぐらいなら、地稽古中にあれこれ指図するよりは受け入れやすいかも知れないという配慮からです。
> 剣道の勝負は「相打ち」が普通 これは知りませんでした。練習で相打ちはやりますし「打たれて上達するものだ」とは言われてきましたが、相打ちが「普通」という頭は全くありませんでした。自分の経験も交え、これが一番ピンと来る説明のように思います。
後退するなと言うと「じゃあどうすれば良いのか」となりますが、「常に相打ちを目指せ」と言えばハッキリした目標があるので、癖を変えやすいと思います。さすがに自分の経験値(5年 [笑;)では出て来ない内容ですね。有り難うございます。
> 成人だけに指導者も厳しく指導しない そんな感じがします。それを本人が「俺は出来る」と勘違いしているからこうなるのかなとも思います。
> 「1ミリも下がるな」 > 「前に出て負けて来い!」 これ良いですね。自分の参考になります。「蹲踞の後立ち上がり直後に後ろに動く奴は、その時点で気持ちが負けている」「打たれずに上達はあり得ない」と言われてきたので、これに「1ミリも」の気概と「前に出て負ける」の言葉が加われば更に打たれる事に対する抵抗感が減少すると思います。
自分が下がるのは竹刀を交えた状態で間合いの調整をする時で、またその結果が(試合)場内の中心をより有利に占める時に限るようにしています。それが出来ない時は鍔迫り合いで詰めたまま引き技が狙えるか、もしくは体捌きで体の角度だけ変えて好機を探すようにしています。
他の人の癖が原因で質問したことですが、図らずも自分の剣道の足しになるポイントを多く見つけました。
貴重なご意見、有難うございます。 m(O)m
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Re: 後ろに下がる ( No.3 ) |
- 日時: 2015/12/13 22:55:18
- 名前: だみ声<
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- かき氷さん 返信が遅くなり申し訳ありません。
どうやらこの方、「打って勝つ」事のみが念頭にあり、「勝ってから打つ」などの言葉に出会っていないかその意味 の解釈がまだ出来てないようですね? 多分他の格闘技での実績もあり、当分はこういうのを繰り返す中で、次第にお気づきになるのを待つのが無難なとこ ろでしょう。 おそらくあっちの格闘技でのプライドもお有りでしょうからね。 でもこれだけ間合いを取って、双方射程距離に入らない格闘技って何でしょうかねえ?
> 「1ミリも下がるな」 > 「前に出て負けて来い!」 僕が50年前教わった師匠の教えなのです。 ただしこの前に「三段取るまでは」が付いておりました。
この師匠「伊地知清臣」先生なのですが、当時60歳ぐらいだったと思います。 京都武道専門学校を卒業されたプ ロの剣士だったのです。 そんなこと大した事とも思わず、ひたすら掛かり稽古に明け暮れましたが、僕らが卒業後 範士八段になっておられました。 兵庫県宝塚市武道館には今もブロンズ像が飾られています。 とにかく前に出ろっ! 引き技決めるより、打って出る方が簡単なのだ! が口癖でした。 しかも差し面のような のもお嫌いで、「まっすぐ振りかぶってふり下ろせ!!」でした。 「突きを喰らうんじゃないですか?」の質問 には、「攻めが弱いから突かれるのだ」、「萎縮した相手は突けないし、突いても当たらない」という答えでした。
そして突きを喰らう訓練もやらされ… いや、ご指導頂き… 全員首の左右に「ミミズ腫れ」を作った日もありまし た。 当然辛い稽古でしたし、正直恨んだこともあれば、辞めようと何度も思いました。 続けた理由は一にも二に も「いずれ打ち負かせてやる!!」の思いでしたが、当時学校の移転があって、2年間のご指導に終わりました。 その後お会いすることもなく、範士八段になられたことも風の便りに伝わっただけでした。 もう少し喰らいついておれば、細かい技もご指導いただけたのだろうと思いますが、僕にとっては前に出るしかない 剣道が未だに続いております。
こんな若い頃の経験が未だに、僕の剣道の根幹になっており、自分がやる指導も「引くなっ!!」がほとんどです。
>相打ちが普通 これも真剣で対峙した時、技量が同じなら、「勝った方が1/100秒長生きするだけだ」でした。
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Re: 後ろに下がる ( No.4 ) |
- 日時: 2015/09/04 03:08:44
- 名前: かき氷
- だみ声 様
> 「勝ってから打つ」 おおー、渋いですね。この辺になってくると自分もまだまだ、聞いたことはあるが実践に至らず、という内容です。でも、仰るように、この人はそういう微妙な事はあまり気にしないで自分のやりたいように動いている感じですね。自分がこの人に教える立場ではないので、自分の動きの改善でアピール出来たら、という段階です。
> 「三段取るまでは」が付いておりました。 なるほど。初心者の多い所なので「三段」はまだ先の話、という事なのだと思います。また、下がったりブロックする癖があると上手くならないというのも先生の口癖です。後ろに下がるのは誰でもできるが、相手が打ってきた時に前に出て打つのは訓練が必要で、そこが実力だというような感じで言っています。
ちなみに、自分の先生も九州の出身だったと思うので、後ろに下がらない剣道の文化を引き継がれている可能性はあります。詳しくは知りませんが。
しかし、面を狙って出た所を突かれ(そして外され)たら痛そうですねー。
幸い突きは練習しても「きちんと狙え、当たったら肩を緩めて剣先を引け」とうるさく言われながらお互いおっかなびっくりやっているので、ミミズ腫れになるような突かれ方は滅多にしないです。
>>相打ちが普通 > これも真剣で対峙した時、技量が同じなら、「勝った方が1/100秒長生きするだけだ」でした。
この潔さは持ちたいですね。 ここまで気持ちが吹っ切れていないとちゃんと前に出て打てない気がします。
自分も打たれまいと身構えて前屈みになったり肩が上がってしまったり、今特に注意して姿勢の改善に取り組んでいます。地稽古のように打ち合う時でも胸を開いて肩をストンと落とした姿勢を維持しようと意識的に心がけています。それでもハッと気づくとおかしな事になっていますが。
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