小説 「復活の日」 |
- 日時: 2020/02/13 06:49:52
- 名前: だみ声
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- マスクが品薄と言う状況ですが、剣道はマスクしたままでは苦しくて出来ないと思います
が、コロナ肺炎は心配ですねえ。 地稽古は「濃厚接触」そのものだと思いますが、だか らと言って稽古を止めることもないというのが、皆様の判断だと思います。
でも…… SF作家 小松左京 の小説に「復活の日」と言うのがあります。 50年前SF小説全盛期 の頃、有名作家だった小松左京の「日本アパッチ族」に始まる多くのSF小説に出合って読 み漁ったものです。 有名なのは「日本沈没」などがあって映画化もされましたが、とに かく面白かった… 彼の作品「復活の日」が、今ちまたを騒がせている「コロナ肺炎」に似ているので、記憶 をたどりながら顛末を書いてみようと思います。 最後のオチが何とも皮肉なのです。 その前に今回の肺炎騒ぎが「細菌テロ」ではないかとも言われていますが、この小説はま さにその「細菌兵器」が主役なのです。
極秘裏に開発された「インフルエンザ菌」の強力な感染力と毒性によって、地球上の人類 が全滅するのです。 この菌体は厳重に保管されていたにもかかわらず、盗難にあいます。 チベットの山中に セスナ機が墜落します。 捜索隊も出ず、墜落事故自体ニュースになりませんでした。 それから数か月、猛威を振るう致死率100%のインフルエンザが蔓延します。 ついに世界 中がこの菌による感染で人類が全滅してしまうのです。 ところがどの大陸からも離れていた南極だけが感染から免れたのです。 世界中の南極観 測隊の数千人が(確か女性も数十人)生き残ったのです。 更にこの細菌兵器は、極寒で は繁殖できず、南極は奇跡的に汚染から免れました。
観測隊の中に地震学者がいて、「地震予知」を研究していました。 こともあろうに巨大地 震の予兆をとらえました。 誰もいない所で地震が起きてもいいようなものですが、当時 世界は軍事的に緊張関係にあり、米ソは世界中に向けて、報復攻撃用の中性子爆弾を搭載 したミサイルを配備していました。 しかも地殻変動の振動を「核攻撃」と察知して自動 装置が作動するシステムの開発チームにいたという観測隊員が南極にいたのです。 この隊員によると、巨大地震によって起きる振動は、確実に報復装置を作動させるだろう というのです。作動用電源も100年間は作動を可能にしているとの事でした。 更に南 極以外には、細菌兵器の生き残りがいて、南極を離れることは出来ない状態でした。 ミ サイルが南極に向いてないという保証はないとの情報でした。
決死隊になった2人の日本人隊員が、報復装置のスイッチを切るために出掛けますが、あ と少しで切れる所で本当に地震が発生してしまうのです。 報復装置は正確に作動して米 ソ配備の中性子爆弾ミサイルが世界中に発射されてしまいました。 南極は国際共有の条 約により、ミサイルは飛んでこなかったのです。
それから10年後、南極で生まれた子供たちを含む一隊が、南米に上陸しました。 実は インフルエンザ菌は、中性子爆弾の炸裂による中性子によって「殺菌」されていたのです。
こうして南極観測隊員たちの生き残りによって、人類は復活を果たして、再び世界中に広 がって行くだろうという内容だったのです。 詳しい点は記憶をたどっているので間違い もあるかもしれませんがご容赦ください。
小松左京独特の皮肉な部分は、医学技術によって開発された細菌兵器によって人類は危機 的状況に置かれ、破壊兵器として嫌われた核兵器(中性子は物体を貫通するので、建物は 破壊されていない)によって復活を遂げる。 すなわち人類は、医学によって滅び、兵器 によって復活した、と言う皮肉さが盛り込まれています。
剣道に関係のない話題で スミマセン。
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