Re: 三段では指導は無理? ( No.1 ) |
- 日時: 2010/11/27 14:57:33
- 名前: 凛美優
- 『38剣士』先生。はじめまして。
昇段は、確かに合格も受審も義務ではありませんが、自己の剣道の研究や内面的なものや考え方や姿勢等に大きく影響するものです。よって、金銭的に体力的に気力的に頑張れるのであれば、昇段審査を受ける方が自身のためによいと思います。時間は、忙しくとも自ら調整して自助努力によって捻出するもので、剣道も仕事もプライベートも皆共通です。
また昇段審査は、剣道と自分を見つめ直す大変よい機会です。一切の会話がなく合否の結果だけが発表され、その因果は自己で探求していかなければなりません。審査員がダメなんだと批判する人もいれば、私はもうダメだという人もいるし、寡黙に内に秘めて努力される人もいます。自分がどれになるかは、自分次第です。剣道人としてどうあるべきかは、自身が決めること。しかしそのあり方を評価したり支持したりする人は、すべて周囲で自身を見ている他の人です。
剣道は、教科書的な論理で完結するものではなく、自ら体現により実演出来ないと他の人に伝えることが難しい部分が相当たくさんあります。少なくとも過去に自分が自らの身体で実現できた、あるいは体感できたという経験が一度以上ないと、口承伝承は難しいと思います。その一度が、審査で合格した時に出た技だったりすることがよくあります。
審査を受けないと、ただし義務的に受けるのではなく、自ら自分は険しい道を自分の力と意思で歩むんだっていう主体的な形で受けないと、我流剣道になり、『守破離』という教えのうち、いきなり剣の理合なき『離』の境地にいってしまって、誰からも賛同されず理解されない状況に、最悪なってしまいます。
全日本の少年大会の試合を見ると、このチームの監督先生はここを子どもに伝えていない、あのチームの監督先生はここまで子どもに教えているんだ、というように、大変大きなレベル格差を確認することができます。前者が多いほど、当然、試合では勝てません。後者の場合、負けても、他の先生や見ていた審判の先生が、良かったよとか、ここが課題だよって教えてくれたり励ましてくれたりします。つまり、自分の道場以外の他の先生が認めてくれて、子どもにとって大きな自信と励みになることが多々あるものです。剣の理合なき我流で突き進み、それを子どもに教えると、おそらく誰も何も言わなくなって、辛い思いをするリスクがあります。
審査に行けば、都道府県や全国の方の剣道の姿を見ることが出来ますから、学ぶ所は多いです。辛く厳しいこともたくさんありますが、自らの意思と勇気で昇段を目指すことをお勧めします。
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Re: 三段では指導は無理? ( No.2 ) |
- 日時: 2010/11/28 13:51:23
- 名前: 風斗 碧
- URL: http://kazatomidori.web.fc2.com/main.html
- 38剣士さま>
私も子供の開始と共に再開したクチです. 現在は新人指導を担当しております. 三段で人に教えるなんてどうよ?、とも思いましたが、 「人に教えることによって自分の剣道を見直すというのはとても大事なことです. 自分が教えられてきた事を子供達に返すことで自分を磨くことを勉強しなさい」 と先生に言われて引き受けました.
育児中の方であれば、金銭的にも、お仕事の理由でも、「今更この年で受験、」 というのはなかなか難しいことも多いかと思います. でも多分、その姿を子供達は見ています. 合格であれ、不合格であれ、 「それでもお父さんは上に向かって諦めないんだ」 「あんなに忙しいのにお母さんは頑張っているんだ」 という姿を子供達に示せるのでは、と思って、次回受験するつもりでおります.
先日の八段審査、欧州剣道連盟の方や、アメリカや、世界各地から、多くの人が受験されたそうです. 多分、その先生達から見ればずっとずっと若い私たちなのですから、焦らず一緒にあがきましょう.
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Re: 三段では指導は無理? ( No.3 ) |
- 日時: 2010/11/28 16:52:17
- 名前: だみ声<
>
- 段位と指導力の間には、多少の相関関係はあるでしょうが、そんなことより「指導力」と
は何か?と考えた時、自分が教えられて来た「剣道はかくあるべき」と言う内容を、間違 えずに子供たちに伝授できる能力だと思いませんか?
そのためには剣道を研究する必要があるはずです。 研究を続けると「上達」があると思 います。 僕は、その上達の程度を制度として具体化したものが「段位」だと思っていま す。 しかも段位は自分の心の中に置くもので、言いふらす物でも自慢するものでもありません。 ただし「教わる側」から見ると、有段者の言葉はそれなりに「説得力」を伴います。 だからこそ間違った事を伝授しないよう研究を続ける必要があるのです。
僕は、研究の繰り返しが「昇段」であるのは、ものすごく具体的な事だと理解しておりま す。 そして教わる側の人々に伝授する時の「話術」は大変重要な研究課題だと認識しておりま す。 「話術」とは聞く人が興味を持って真剣に聞くと同時に、繰り返し思い出して吟味し、理 解に至る説得力のある話し方です。 どんなに優れた技術を会得していても、それを的確な言葉に置き換えて説明できてこそ正 しく伝授できるのであって、表現が悪いとせっかくの優れた内容がうまく伝わりません。
しかも教わる側の年齢も理解力も十分把握しておかねば、各年代に同じ言葉で表現しても、 難しすぎて分からなくては、年齢の低い子供たちには正しく伝わりません。
指導力を向上するには、@「技術の向上」、A「理解の掘り下げ」、B「話術」が大変重要 で、そのための研究結果が昇段制度によって「格付け」されるのが理想なのではないでし ょうか? ただし審査で具体的に審査できる内容は、@がほとんどで、Aは筆記試験ですが丸暗記で も何とかなり、本当の意味での「掘り下げ」は幅の広い研究がなされねば「極意」に至り ません。 Bに至っては「天性」もあってうまいへたは、なかなか治りませんねえ。
逆説的に表現すれば、剣道に限らず、良い指導者になろうと思えば自己研さんを積まねば ならない事に気付き、真剣に学び精進して自分を磨いて行くものだと言う事ではないでしょうか?
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