剣道人口増やしたいロゴ
なんでも掲示板のトップページ > 過去ログ > スレッド閲覧

左肘 伸ばす?曲がる?
日時: 2011/02/10 11:25:33
名前: kica

剣道二段、リバ剣1年目の30代女性です。
高校の時に剣道をやっていまして、久々に再開しました。

現在、左肘のことで悩んでいます。

学生の時、打ち込むときの左肘は伸ばすものだと教えられました。
先を取るために、左手はそのまままっすぐ伸ばし、
右手は軽く握る程度で、そのまま刺し突くように手首の冴えで
打つのだと。

ただ、先だってある先生から、
「打つ瞬間に左手を引くと、テコの原理で面布団に当たる」
と教えられました。
左の引手のことだと思うのですが…。
先生は「両手は長さが同じなんだから、左肘を伸ばせるわけがない」
とおっしゃいます。
しかし、左手を引くと肘が曲がり、面が伸びません。

打ち込みは、手首の冴えで打つのか、引手押手で打つのか…
それとも、そもそも私の剣道は違うのか…
分からなくなってきました。

どなたかどうぞ、ご指南くださいませ。
よろしくお願い致します。

Page: 1 |

Re: 左肘 伸ばす?曲がる? ( No.1 )
日時: 2011/02/10 19:26:55
名前: キース

kicaさんこんばんは。

私も高校迄剣道をやっていて、40を過ぎて再開したリバ剣です。
左肘については、その師範により指導が違うかと思います。

かくいう私も、最近八段の先生から振り下ろす際ではなく、
振りかぶる際も延ばすよう指導頂きました。

振り下ろしで曲げる様に指導された事はありません。
むしろ、左手は常に伸ばし右手は離すかずらしても良いと
教わっています。
(私もその様に指導しています)

但し、以下のケースだけは左手を曲げる様、指導頂いた事があります。
 @差し面
  右手を曲げるのではなく伸ばしたまま固定して、左手を前に
  押し出して剣先を上げ、引いて打突する。
 A振りを止める時
  居合もやっておりまして、振り下ろした竹刀や木刀、日本刀を
  ピタっと止める為に、左手に力を入れ気持ち若干引く。

これらは今回は当てはまらないと思います。

又、私の場合上段を取っているので、左手を曲げる事はまずありえません。
両手の長さが同じって、、、持つ位置も高さも違うじゃないですか(汗

私の様な未熟者がお答えできるのはこの程度です。

師範の皆様、フォローお願いします。
Re: 左肘 伸ばす?曲がる? ( No.2 )
日時: 2011/02/11 01:19:04
名前: だみ声< >

僕が僕のレベルで、僕なりの理解度で説明を試みると以下の様になります。

両腕を伸ばして(自然な曲がりのまま)大きく振りかぶり、左こぶしが視野から消えるま
で上げて「面」を打つのは、基本動作であり、正中線を通して竹刀を遠くへ投げるように
振り下すことと解釈しております。手首の冴えが竹刀速度を支配し、小さな振りでも力強
く当たります。
と言いつつ両腕が完全に伸び切った状態は、次の動作のためにはベストではないはずで、
いわゆる「あそび」という柔軟さは保たねば、見ていてガチガチの姿になりますね。
同じ長さの両腕なのに、右こぶしが前で、左こぶしが身体に近い側にある状態を腕がのび
ているのに可能とするためには、両肩の位置がこぶしと同じ距離だけずれているはずです。
そしてその打突の瞬間は右腕はほぼ水平であると言われます。
これが基本動作であり、竹刀が正中線を維持する事により「面」に当たる訳です。

一方、(応用技と言っていいのか?)実戦でよく見る、竹刀を一瞬垂直に立てたのちに「面」
を打つ動作は、右の「押し手」左の「引き手」によるテコの利用だと思います。 しかも
拳は上下動もしますので、動きは複雑です。 もちろん手首の動きも重要です。
左手を引いた時、これがのびている事は物理的に不可能だと思います。 左肩を左にひね
れば伸ばしたままの形も作れるかもしれませんが、竹刀速度は遅くなると思います。
と言う事は、当る瞬間、竹刀の先端が最高速度で「面」を捉える時の左手は、引き手の結
果「肘が曲がる」のは自然である、と言えるのではないか?
この後、残心姿勢を取る流れの中で、肘は伸びてバランスの良い全体姿勢に至る。

雑誌に載っている打突瞬間の写真では、左肘が曲がった所が頻繁に写っていると思います。

どうでしょう? すなわち両腕を伸ばす基本打突を繰り返して、一連の動作を身体にしみ
こませ、最終的には「切り落とし面」の極意に至る稽古は欠かせない。
一方剣道の実戦において、素早い打突を繰り出すには、最小限の動作で竹刀先端を「打突
部位」に当てると言う「応用動作」には、引き手と言うものも有り、肘と言う関節がある
限り、「曲げ」や「伸び」は自然に行われる物である。

僕ももっとベテランの方のご意見をうかがい、研究して行きたいですね。
Re: 左肘 伸ばす?曲がる? ( No.3 )
日時: 2011/02/11 00:55:31
名前: 凛美優

『kica』先生。はじめまして。

今日(厳密には昨日)もお稽古で疲れてもう寝ようかなと思ったのですが、先生のご質問はとても重要なことなので、これは久々に書き込みせねばと、じゃそろそろやうるかと思ったら、『だみ声』先生がビシっと回答解説の書き込みが出てきました。

いろいろ書こうと思ったのですが、結論は、私も自分の考えと実践が『だみ声』先生の書き込みとほぼすべて同じです。なので『だみ声』先生の解説を熟読すれば、いいのではないかと思います。

剣道の指導っていうのは、基本的に多くの場合、言葉足らずです。それは指導者が実演を伴って説明するから間に合ってきたのですが、最近は理論的に理解しようとする方が多いので、私も指導では、なるべく詳細に具体的に言葉や表現を豊富にして説明するように心かけています。

『kica』先生も頑張ってください。


Re: 左肘 伸ばす?曲がる? ( No.4 )
日時: 2011/02/11 12:03:44
名前: とらのすけ< >

kikaさん はじめまして。


このスレを拝見して私も打突時の左肘について、先生方と話しをしてきました。

kikaさんの指導された事は、両方が正しい指導をされたのではないですか?

それは学生の時のされた打突後は剣先を前に出そうとして、右手打ちになっていた為に肘が曲がっていた。

しかし現在は腕がガチガチになっているので伸びてしまっているのでは?

その為に指導に違いが生じてしまっているのかもしれませんよ。


正しい打ちの詳細は凛美優さんと同じく、ダミ声さんをご参考にされると良いと思います。

但し 今の段階では『力で打つ』のではなくて、『バネで打つ』という事を意識されてはいかがですか?

剣道に限らず 他のスポーツにも言える事なのですが、棒の様にガチガチになってる腕での打ちと比べて、力みの無い腕での打ちでの剣先のスピードが同じであれば、打突時の衝撃力は同じなのです。

但し力みの無い方がスナップが利用できるので多少衝撃力は強いでしょうね。

って感じで、頑張ってみてください。
Re: 左肘 伸ばす?曲がる? ( No.5 )
日時: 2011/02/12 09:53:02
名前: kica

皆様、素晴らしいお話を聞かせていただきまして感謝します!!!

リバ剣から半年、学生の頃の間隔と大人の剣道との狭間で、「何か違う?何か違う?」と思いながら試行錯誤の毎日でした。

同じ剣道といっても、熟練度や体の動き、体格、体力と、その場に応じて変化していくものなのですね。
大切なことを教えていただき、ありがとうございました。

今日は午後から稽古がありますので、皆様のお言葉を頭に叩き込み、思いっきり稽古してきたいと思います。
またご報告申し上げますので、どうぞよろしくお願いいたします。

できましたら、ほかの皆様も左肘について気が付いたことがありましたら、
書き込みいただけますと大変嬉しいです。

よろしくお願い申し上げます。
Re: 左肘 伸ばす?曲がる?≪報告です!≫ ( No.6 )
日時: 2011/02/14 09:48:31
名前: kica

皆様、お世話になりました。

昨日武道館にて、先生方にボコボコにされてまいりましたが、
なんとなく、いろいろなことに気が付いたような気がします。

左肘ですが、私は伸ばそう伸ばそうと、それにこだわることが
面打ちの基礎なんだと思い込んでいましたが、
高段者の先生方は皆様、だみ声先生のおっしゃる通り、
左肘を自由に自在に使い、素早く美しい面や技を
繰り出していらっしゃいました。

私も、基礎打ちの大きな面は伸ばし気味に、地稽古の際には
押し手と引手を使い素早い面を心がけましたら、
尊敬する先生より、何も注意がありませんでした。
(いつもはダメ出しばかりでした…)

しかし、じゃあ曲げてもいいかといいますと、やはり
どの先生方も残心に至るまでには、きれいに伸びて
いらっしゃいます。
基礎では、やはり伸ばすことを心がけるべきだと思いました。

これからももっと稽古に精進して行きたいと思います。
どうもありがとうございました!!!
Re: 左肘 伸ばす?曲がる? ( No.7 )
日時: 2011/02/15 02:18:48
名前: だみ声< >

kicaさん
僕の説明が少しは役に立ったようですが、これですべてが理解された訳ではなく、あくまで上達の経過段階の中での解釈なのだとご理解下さい。 いわゆる「守破離」の言葉の通りで、上達のある段階の物のはずです。

「技」には、多種多様な取り組みがあり、工夫がなされます。 良くないと言われる技も使ってみて自分にとっては「使える」技と言うのもない訳ではありません。 ただ習う途上にいる者は、まず言われた事が出来るようになりなさい、と言う「守」の教えがあります。 

教えられたことが十分できるようになると、「なぜそうなのか?」と鵜呑みにしてきた事に対して「検証」する気持が発生し、勉強する訳です。 そして「理解」に至るとその技は身に着いた「本物」と言う訳です。 これで初めて「師」と同等の理解に到達します。
ところが、それで満足せず、さらなる理解を求めて工夫がなされます。そしてある時「師」の理解度を超えた、又は視点の変わった理解状態になります。これを「破」と言います。

自分独自の理解に至った「達人」は、自分の理解度のレベルを検証すべく研究を重ねます。ついには、まったく新しい理解度「悟り」となり、独自の理論を持って「流派」を起こします。すでに師を離れるので「離」と言う訳です。

整然とこういう経過を取る訳でなく、上達の程度を論理だって説明でき、伝達して行くものであり、その筋道を凝縮して言いあらわしたのが「守破離」と言う教えなのだと思います。 くどくどと失礼しましたが、ご参考までに…

と言いつつ、これも僕の理解度の範疇なのですよね。
Re: 左肘 伸ばす?曲がる? ( No.8 )
日時: 2020/09/05 17:49:16
名前: とんろう< >

またまた、通りすがりのものです。
久しぶりにコメントします。

kikaさん
あなたのコメントに、
「学生の時、打ち込むときの左肘は伸ばすものだと教えられました。
先を取るために、左手はそのまままっすぐ伸ばし、
右手は軽く握る程度で、そのまま刺し突くように手首の冴えで
打つのだと。」

とありました。
全く、その通りです。
左ひじはまっすぐに、刺し突くように、伸ばし、
主に右手のスナップで打ちます、
右手のスナップが効いて、面布団に当たります。
左手を引く根拠はなにもない。

この打ち方は、江戸時代後期にさかのぼります。
考案したのは、北辰一刀流の千葉周作です。
この打ち方には名前がついています。
”鞠つき面”
と云います。

55年ほど前に私は九州の剣道部でこれを習いました。
面打ちには、この鞠つき面と、
現在、剣道界で行われている、押し手引手面がありました。

押し手引手面は、当時は接近戦の面打ちの技でした。

両者を比べても、断然、鞠つき面の方が速く、私はこれを得意技としていました。
今でもそうですが(微笑)。
(ここで速いというのは、構えて打つまでをいい、
面の体勢に入って振り下ろす速さではない。
押し手引手では、振りかぶりに一瞬隙が出来る。)

左ひじを伸ばすには、ある工夫があります。
刀の柄をしっかりと握ったままでは、だれでも肘は伸びないものです。
因みに、手刀、竹刀を持たずに、手刀にして力を抜いて左腕を伸ばしてみてください。
誰でもまっすぐに伸びるはずです。
これがコツです、竹刀をもってまず、握る力を抜いて肘を伸ばします。
肘が伸びた瞬間に握るのです。
握るより伸ばす方が先です。強く握ったままではできません。これを瞬時に行う。

腕の長さのことは、左脇締めと手の内、右手の持ち方により調整します。
これも列記とした根拠の下に行われていますが、
説明が長くなるのと、これに伴った足捌きまでセットになっていますので、
説明が大変です。

現在この打ち方のできる方は、ほとんど、いなくなりました。
各道場に赴いても、年配の方で出来る方は居ませんでした。
だから、質問しても、肘を伸ばせという方はおられないと思います。

鞠つき面を行うと、これにいろいろな昔からある技が付いてきます。
今の剣道がきっと変わります。
皆様に知ってほしいです。



Page: 1 |