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どこまでが剣道?
日時: 2012/08/06 12:58:52
名前: 浮き雲

皆さんこんにちは。
浮き雲と申します。私は20年ぶりに剣道を再開し二年が立ちます。現在三段です。
最近少年剣道での稽古での悩みがあります。
剣道のなかでどこまでが暴力でどこまでかが剣道なのかということです。
子供達のなかでとても荒っぽい稽古をする子が数名おります。中には思春期の子もいて、言葉で注意しても聞かない子がいてどう関わればよいのかわかりません。内容としては、攻めやなにもないめったうちや防具外しやつばぜり合いでのパンチ等です。私には剣道には見えません。本人たちに同じようにしてやるのもおとなげないきがして、私だけでは答えが出せません。
ちなみに指導の先生は見て見ぬふりです。
そこで大人として剣道人として効果的な指導方があれば教えていただけないでしょうか。また、先生がたのご意見をいただけないでしょうか。

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Re: どこまでが剣道? ( No.1 )
日時: 2012/08/06 18:10:58
名前: いもむし

浮き雲様

 こんばんは。はじめまして。

 荒っぽい子供は、子供同士の稽古で荒っぽくなるのでしょうか。指導して下さる先生に対しても荒っぽいのでしょうか。

 我々の道場では、基本的に4段以上の方が元立ちで稽古をして、極力子供同士の稽古は行いません。子供同士で稽古させる時もありますが、その際は、大人が数人で監視しています。

 荒っぽい子供には、基本稽古、素振り500本、早素振り500本から始めて、切り返し10往復、面打ち30往復等を一通りやった後掛かり稽古を延々やらせるのはどうでしょうか。その際元立ちは一切打たせません。(私は大人代表で子供と一緒にやります。「自分達はやらねーのによー」とか言わせないために。)
 要するに基本稽古をふらふらになるまでやらせるのです。指導者の絶対的な指導力が必要です。
 サボろう、休もうとする子には、我々の道場では竹の棒でケツバットです。
 子供の様子はよく観察しながら行って下さい。過呼吸になる子もいます。

地稽古でも先生がお相手してあげて、むやみやたらに打っても当たらない事、腹を立てたり、頭に来たら勝てないことを教える必要があると思います。

掛かり稽古、地稽古では先生は多少荒っぽくてもよろしいかと思いますよ。

機会を見て、座学でも剣道を教えてあげて下さい。
  
追加:何年生ですか?
Re: どこまでが剣道? ( No.2 )
日時: 2012/08/09 01:23:33
名前: 凛美優

『浮き雲』先生。はじめまして。

先生の問題意識は、幼少年剣道の普及という観点からとても重要なものだと思います。
恐れ入りますが、必ず返信させて頂きますので、もう暫くお時間ください。(ちょっと最近何かと忙しく、いい加減には書けないと思ったので。)
Re: どこまでが剣道? ( No.3 )
日時: 2012/08/09 06:48:35
名前: 浮き雲

いもむし先生、凜優美先生こんにちは。
私の子供時代にも似たようなこともあって、そのときは同じ子供同士なのでおもいっきりやり返しました。しかし、現在は私は成人であり力のみで対するとどの様な影響を与えるか考えてしまいます。
いもむし先生のご質問ですが、中学三年と小学校五年です。返信遅くなって申し訳ありませんでした。
Re: どこまでが剣道? ( No.4 )
日時: 2012/08/09 08:43:41
名前: いもむし

浮き雲様

 おはようございます。

 言うことを聞かない子供には、力で体罰的な方法で教えるのも必要な時があると思いますが、その前に大人も工夫が必要ですよね。

 子供同士の稽古ですと、荒っぽい子供に限らず感情的になって叩き合いになりがちになります。
 ですから、我々の道場では子供同士での稽古は極力行わないようにしています。

 色々な考え方があると思いますので、あくまで参考として下さい。

 子供のうちは基本が重要と考えていますので、徹底的に基本稽古をふらふらになるまで行います。(中学3年生も同様です)
 そして、相手に勝つより以前に自分に勝つことを教えます。技も稽古しますが、試合の駆け引き等は教えません。
 稽古は、形、基本稽古法を行った後、前後正面素振り300から500本、早素振りも同様に行います。「もう出来ない」「もう無理」と思ってからが自分との勝負ですので、休まないことが大事だと教えます。(指導者は子供をよく見て癖を指導しながら行って下さい)

 防具を装着した後は、切り替し5往復(10往復は間違いでした)大きな面打ち30本、小さな面打ち30本、大きな小手面打ち30本、小さな小手面打ち30本を行い、その後技の稽古を数種類行います。(子供の体力を見て本数は変えます。)
 その後、打ち込み稽古若しくは掛かり稽古を行います。
 ここまでやると、ふらふらです。その後、時間があれば指導者と地稽古です。

 基本の稽古を徹底的にやると、くだらない暴力的な稽古をする余力などありません。地稽古も余計な力がはいりません。

 試合の駆け引き等は教えませんので、地稽古では基本通りの打突で先生に向かうしかありません。勝てませんがそれでいいのだと思います。(たまには打たせます)

  きつい基本稽古は自分との戦いです。それが捨て身につながるのだと思います。ですから自分に勝てない人は、たまたま相手に勝っても何の意味もないことを教えます。

  相手を負かすことより、自分に勝つことのほうが、よっぽど難しく勇気のあることだと教えてあげて下さい。
 
 ちなみに、剣道のなかでどこまでが暴力でどこまでかが剣道なのか。については子供の剣道は基本打突以外は剣道ではないと考えていいと私は思います。
Re: どこまでが剣道? ( No.5 )
日時: 2012/08/12 21:35:50
名前: 凛美優

『浮き雲』先生。遅くなりました。すみません。ここ数ヵ月、本当にどたばたしてまして…。
ご照会の件です。大変大事なことと申しましたのは、予めしっかり幼少年の剣士と保護者に教え込まないと、大変な事故や風評被害などが起こるリスクがあるので、返信しようと思いました。
私も、少年や青年に剣道を指導することが多いのですが、私の思うポイントを順に言います。
@まずはご自身が、20年ぶりとか、三段とか、少し遠慮して引き気味な感じを受けますが、社会人として剣道の有段者なのですから、剣道三段は、十分に剣道の高い経験者ですので、たとえ先生と呼ばれる立場でなくても、先輩剣士として、おかしいと思うことは毅然と明確に、子どもとその保護者に指摘し是正させることです。おかしい事をしている子どもに対し、道場では絶対に引けを取ってはいけません。指導的見地に立って、間違いがあれば厳しく徹底的に正さなければなりません。
A子どもには、必ず明確な理由を言わなければなりません。ただ、『駄目だ』 とか 『いけない』 の連続では、子どもは否定されていることは理解できますが、では何をすればよいのかが分かりませんので、どうあるべきか、につながる明確な根拠が必要です。それを必ず言及し、実際に示範することです。
B剣道おいて、礼法・心なき打突、剣の理法なき打突、あるいは剣の理合なき打突は、単なる暴力といっても過言ではありません。必ず、お稽古の際には剣道講話を入れて、心の修練を反復・徹底することです。そして、剣道の理合について、何度も何度も、同じ言葉でもいいので、強く言い続けることです。理法・理合とは何かというと、この場では書き切れませんが、すべてにおいて竹刀を刀として扱うこと、その扱い方も含め、正しい剣の理法を強調して教えること、刀で体現できない動きは、たとえ竹刀で出来たとしても、それは無効だということ、それらを元から認識させることが大事です。
C不完全な幼少年のお稽古ですから、きちんと打てないことも多いです。誤って打突部位を外れて、相手を打ってしまった場合には、必ず打たれた側の子どもに『すみません。大丈夫?』と言わせ、謝る心と相手を気遣う心をもってお稽古すること、痛みでうずくまっている相手を更に上から攻撃するような卑怯な真似はするなと、強調して教えること、痛がっている子どもにも、剣道のお稽古は相対のもので、自分も誤って打ってしまうこともあるから、お稽古の上だと思い、いつまでも痛がらず、自分にも厳しく我慢して自ら克服する努力することを教えること、そして必ず剣道の技で正々堂々とお稽古すること、その上で必ず子どもには、竹刀の振り方や扱い方、つまり剣道の技、打ち方、裁き方、避け方、応じ方、返し方をしっかり何度も何度も教え、そうではなくこうだと、口頭の説明と同時に指導者自らが実演と体現をもって示範すること、ただ打突部位に竹刀を当てることを推奨するのではなく、具体的に打突部位をどのようにして打つか、という方法論と過程をしっかり強調して教えること、剣道の技を修練している際の打突ミスと、意図的に間違った打突をして相手を痛めることは、本質的に全く異なることを徹底的に教えることです。
Dもちろん大前提として、打突部位がどこなのか、剣道の規則では不当な打突は反則だということも、予めしっかり教えておくことです。竹刀や木刀の扱い方、作法、防具の着装も、すべて予め示し話し、おかしければその場で正すことです。扱いを誤れば、竹刀や木刀も凶器になるということを、保護者も含め子どもには徹底的に言っておく必要があります。(続く)
Re: どこまでが剣道? ( No.6 )
日時: 2012/08/12 21:36:42
名前: 凛美優

(続き)
E説明の際に使う言葉も、正しい剣道の用語できちんと話すこと、擬声語や擬態語のみで説明するのではなく、具体的な正しい言葉を使って話すこと、幼少年にはひたすらに何度も何度も繰り返すことです。誤った使い方、おかしな剣道が少しでも子どもに見受けられれば、即座に止めをかけて、その場で都度説明して正すことです。決して看過しないことです。私の経験上、小学3年生以上ならば、必ず分かります。また、子どもに教えると同時に保護者にも、その旨をきちんと伝え、保護者からも各々の子どもに家庭で教え込ませること、それを励行して頂きたいと思います。
F剣道は、単にたたき合うものではなく、『有効打突』を取ることを競い合うものです。『有効打突』 とは何かということを、きちんと子どもに教えることです。少なくとも、剣道試合審判規則に出ている言葉くらいは、すべて小学生の子どもに伝え、それはこういうことだと説明し示範してよいと思います。それから、剣道の試合をする場合の審判判定の意味合いについても、旗が自分に上がったから、何でもそれが正しいと拙速に思ってはいけないことも、予め子どもに理解させておくことです。『打って反省。打たれて感謝。』の意味合いを、講話により何度も何度も言い続けることです。審判の判定基準は、試合者のレベルに応じて変化するものであり、その時たまたま一本と認定されたからと言って、その後もその時出した技ばかりを繰り返すのでは、全く上達に資するものではありません。もっと適切な技があったのではないか、もっと上手に出来ればよかったのではないか、と創意工夫、探求する姿勢を子どもの心に根付かせることです。

色々、思い付くままに記しましたが、実際に幼少年剣道の指導の場で事故があった事例を、たまたま知っていたので、その予防も念頭に入れて書きました。
最後に、子どもの指導でそこまでガチガチに…、と言う人が指導者の中にいたとすれば、その方はそもそも指導者としての資格は元よりないと思います。指導者講習会もほとんど参加せず、自分の生半可な経験を、あたかも剣道の剣技を教えてやるという上目姿勢でいい加減にやっているだけだと、私ならそう見てしまいます。もしそういう方がいたとしたら、それは本当に迷惑そのものなので、一刻も早く退いて頂きたいとさえ思います。何かあった時に、傷付くのは子どもであり、その家族、そして道場の剣友の仲間です。その責任を誰一人もきちんと完全に取れる人は、はじめからいない、という現実を直視して取り組む必要があろうかと思います。また、私が、自分に幼少年の子どもがいたとして、その子に剣道を習わせるとしたら、そして指導者にそのようないい加減な点を見出したとしたら、即座にやめさせて他の道を模索すると思います。
剣道の指導を幼少年に対し、自らが剣道指導者と称して取り組む場合には、自らの修練と研究の継続と求道の精神を絶対に忘れてはいけないと思います。それだけ剣道指導者には大きな責任があるということです。

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