『こてまる』先生。お稽古のため遅くなりすみません。返信ありがとうございます。仰っている技のイメージが分かりました。 小学生高学年ですから、発展途上ですので、教えるのは難しいですね。その『フェイント小手』は、中学、高校、大学と学年が上がるに従い、その技を受ける側も慣れてきて、避けるのも上手くなり、技自体が決まりにくくなりますね。なので、小学生でも出来る効果的な対処法ということになりますね。 確かに『こてまる』先生が言われるように、私も『フェイント小手』は剣道の技としてはあまりいい技ではないと思います。日本の剣道の中核は、やはり『攻め』だと思いますので、小学生でも小学生なりの『攻め』を体現して欲しいですね。『フェイント』は、攻めというより、だまし技のテクニックって感じがします。正面打ちをするのに、攻め入り後に、そのまま正面を打つのではなく、相手の右小手を狙うかのように錯覚させるため、一旦、自己の左右の拳をすくうように手元引きのような動作を入れてから面を打つ人が、割と多くいますが、それもその人が攻め勝って相手を打ったのではなく、その人にだまされて相手が打たれた、っていう見方になってしまいます。つまり、打つという結果だけを何よりも最優先した動作ということになります。『フェイント小手』もその一種のような気がします。ま、試合では、当たれば、結果的に一本となってしまいますし、審判を厳格に厳しくすれば、試合が終わらないしと、審判基準のその場での緩和をどこまでやるか、という議論になってしまいますね。剣道の教えで『虚と実』と言うのがありますが、まさに『虚』の部分ですね、『フェイント小手』は。小学生は、まだ発展途上で技も上手く出来ない一方、相手の見せかけにもつい反応してしまって、隙を見せてしまうことが多いので、私は、小学生と中学生には、次のように教えています。 @ 目付。言葉が難しいので、表現や言葉そのものは年齢が上がってから教えればいいと思いますが、意味合いは小中学生にも教えています。観の目付と見の目付。要は、相手の心の内を見通すこと、それから相手の姿や外観を正しく見切ること、その両面の眼を持って、お相手と対峙しないといけません、って言っています。 A 構えをしっかり作ることと、構えを崩さないこと。特に小学生は、全身を上下左右、縦横無尽に動かして、必死に技を出したり、相手の技を受けたり、裁いたりします。構えの時、攻める時、打つ時の姿を強く意識させて、常にその姿からなるべく変わらないように動作して、と言っています。ひっくり返るような身体の動きで相手の技に対処するのではなく、構えの姿勢をなるべく維持しながら、自分が相手に向けている剣で相手の攻撃に対処するようにと、つまり剣の裁きと技で対応するように言っています。 B 間合い。そして脚(足)裁き。小学生でも、触刃の間、交刃の間、一足一刀の間、この3つは教えています。相手と自分との距離を意識させる上で、とにかく相手を竹刀で叩けるように目測で打ちにいくのではなく、自分の前進・後退・左右の動き(脚裁き)をもって、今対峙しているお相手に、どうすればどこを打てるか、どうすれば間を切れるか、を考えるのではなく、それらをとっさに感じるようにと、言っています。そして、自分の動きの他に、相手の動きも利用して打つようにと。 C 気位。何よりも、先の気分をもってお相手と対峙して、強い気持ちと掛かりの気持ちをもって、自分の気持ちを満たしておくように、と言っています。(つづく)
Re: フェイント小手の対処法( No.6 )
日時: 2013/11/03 02:56:36
名前: 凛美優
(つづき)私ならこうするという意味での、具体的な対処法としては、 @ 特に、相手から『フェイント小手』を、一度でも受ければ、その警戒心を特に高めること。(ま、当然ですが、でも小学生は、やっているつもりでも、結局できないことが多いです。) A 相手が『フェイント小手』を出しそうだと感じれば、一瞬とっさに間を切る、あるいは相手の自分をつなぐ直線のルートをとっさに外れるように体裁きする。その際には、必ず剣先はお相手の中心線上の喉あたり。漠然と間を切ると、お相手の別の攻撃を誘発する可能性があるからです。 B 相手の攻撃の避け方は、いわゆる三所避けではなく、両拳の位置を中段の位置からやや上げて、右拳は右胸の前あたり、左拳はみぞおち右横のあたり、両腕と両肘は伸ばして、剣先はお相手の喉あたり、そして右拳は、日本剣道形の小太刀一本目の仕太刀の構えと同じような形にして、右親指をやや内側に、刃は真下ではなくやや自分の右斜め下、左拳は、お臍前あたりから大きく外れ、自分のみぞおちの右横か右肺前あたりにくるように、右小手を避けつつ、面も胴もすぐに防御できるように、極力、中段に近い形で、対処する。その避けの態勢になった時には、当然、お相手との距離について、なお一層の強い警戒心を持つこと。つまり、付くか離れるか、メリハリ付けてどっちかにハッキリ対処すること。 C お相手との距離感の他、お相手と自分の直線的な位置取りを、意図的に変えることもありかなと思います。つまり、気持ち的には、あまりいいものではありませんが、自分もお相手も、右拳を前、左拳を後ろにして剣を持ち構える場合、自分の右斜め前の方向にとっさに相手に近づくと、相手からのほとんどの攻撃を受けにくくなります。その場合、自分も攻撃出来ないので、完全に防御のみの動きとなりますから、小学生という発展途上のステージで、やむを得ずというのが前提です。その後、何度もいたずらに乱用反復したり、何もせずじっとしていたり、すぐに離れないと、時間の空費で反則になる場合があります。 D 相手の『フェイント小手』を感じれば、一発で決める出小手、つまりフェイント直後の一瞬の動作の止まりを狙う。あるいは、相手の『フェイント小手』を感じた瞬間、小手(裏)−面を先に打ってしまう。つまり、相手がフェイントをしようとする前に、こちらから技を出す、ということ。ただ、この場合、やはり小手から入った方がいいのかなと。面だと小手や返し胴を狙われる可能性があるので、小手によってお相手の技を殺して、次の技を繰り出す、というのが効果的かなと思いました。 だらだらと長くなってすみません。よく考えず急いで書いたものですので、もっと冷静に考えれば、もっといい指導法があるかもしれません。あくまで、私の個人的な一意見として、ご理解頂ければ幸いです。(おわり)