Re: 初めてあの子に負けた ( No.1 )
日時: 2008/07/03 22:25:06名前: 剣哉
はじめまして、 私もそういう経験ありました。今まで勝っていた相手に負けるのは 悔しいものです。 しかし、いつまでも悔やんでても、ダメだと思います。 何事も、心の切り替えが大切です。もしかしたら、その相手の方も、 勝てるよう努力したんだとおもいます。経験者だとかは多少の差は あるとおもいますが、なんら変わりはないと思います。 なら次はその方に勝てるよう、その方よりがんばって練習しては どうでしょうか? 必ずや、がんばった分、結果は出るでしょう。 あと、相面で決めるよりもっと積極的に打ち込んでみては? まぁ、私は出小手とかを得意とするので、あまり色々いえませんが。 とりあえず、がんばってください!
Re: 初めてあの子に負けた ( No.2 )
日時: 2008/07/04 00:47:01名前: 凛美優
『エリ』さん。はじめまして。 まだ中学生ですから、ちょっと難しいかもしれませんが、ご参考までに。 『相面』と言われていますが、『お互いに面を打つ』というイメージで『相面』と認識しているとしたら、それは止めた方がいいと思います。 つまり、相手が自分に向かって面を打ってきているという状態を視覚的に認識してから、自分も相手に向かって面を放つというのでは、有効打突となる確率は、年齢と段位が上がっていくに従い、急降下的に下がってきます。よって、技としては得策ではありません。 それは、剣道は、先に当たりさえすれば必ず一本、というルール(剣道試合審判規則等)ではないからです。普通は、攻め等の剣の理合が明確に出ない限り、相面は、双方無効です。たとえ相互の打ちに0.2秒程度の後先格差があったとしてもです。 よって、相手が自分に向かって放つ面に対して、自分も相手に対し面で制するには、一発でしとめるとしたら、『出頭面』しかありません。これは『相面』というイメージとはだいぶ異なります。(『切り落とし面』というのもありますが、それは、六三四の剣の修羅君にならない限り、中学生では難しい技です。なので『出頭面』につき言及します。) 『出頭面』を、私なりに無理矢理、日本語で言うと、自分の攻めの動作によって、相手に自分の面を打たせるべく、気持ち的に相手を自分主導で誘い出し、かつ相手の打ち動作に入る前の段階から、相手が面に来ることを自分が気持ち的に十分に予見して、ついに相手が打とうとするその起こりを、一歩踏み込み足で手首のスナップを利かせて正面をズバっと打つ、ということです。ポイントは、自分が主導権を持っていること、そして自分の誘いによって相手が自分に面を打ってくるという展開にすること、です。 相手が面技を起こすまでは、自分は技を起こさないことも大事です。ためると表現すれば分かりやすいですかね。人間は、通常、面を打とうとして面技の動作をしている最中に別の動き(例えば避けるとか)に急に変化することは、身体能力的に出来ません。ですからその起こりを捕えるようよく観ることです。 あなたが、負けた理由は、相手が頑張ったとか、調子が良かった悪かったとか、審判がよく見てなかったとか、いろいろあるかもしれませんが、そこに負けたことの原因を追求するよりはむしろ、『相面』というイメージから『出頭面』というイメージに変えてそれを実践研究することの方が、あなたのためになると思います。 しっかり頑張ってください。ぐねぐねと、いろいろ書きましたが…。すみません。分かります…?
Re: 初めてあの子に負けた ( No.3 )
日時: 2008/07/04 00:59:15名前: だみ声 <
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エリちゃん 負けたショックはここでよくわかりましたが、相面でなぜ相手のほうに旗が上がったのか がわかりませんね。 以前弱かったあの子が、いつのまにか自分をやっつけるようになってきたことは、チーム としては良い事のはずです。 では、チームのためにもっと良い事は、再びあの子より強くなることですね。 こうしてお互いがお互いを強くさせていくことを「切磋琢磨:せっさたくま」と言います。 一つ反省点として考えねばならないことは、弱いはずのあの子に「今日も楽勝」と心のど こかで思ってませんでしたか? これを「油断:ゆだん」と言います。 さあレギュラーの席は5つしかありません。椅子取りゲームは、足の引っ張り合いではな く、上達速度の競争なのです。 今日勝ったあいつには、明日も勝たせない!! という 固い気持ちとそのための訓練です。 もう一方には、今日勝てなかったあいつに、明日はひと泡吹かせてやる!! という闘争 心です。 負けたショックを引きずってると、やらねばならないことに気づくのが遅れます。 きっぱり忘れて、稽古に歯を食いしばって食らいついていきましょう!!!
Re: 初めてあの子に負けた ( No.4 )
日時: 2008/07/04 01:05:45名前: だみ声 <
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エリちゃん 凛美優先生のアドバイスは、猛烈に素晴らしい内容です。 中学生のエリちゃんには、少し難しいかもしれないけれど、「出頭面」のところは、何回も読んで覚えて研究していると、「できた!!」という日が必ず来ます。 頑張ってる子に、さらに頑張れとしか書きようがないけど、「がんばれ!」
Re: 初めてあの子に負けた ( No.5 )
日時: 2008/07/04 09:27:30名前: ゆりえ <
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エリちゃん、はじめまして。 先生方のご指導を読ませていただき、面のイメージが目に浮かぶようです。 横からお礼を申し上げます。 さて、エリちゃんのお母さん世代から一言書かせていただきますね。 今回のことは、エリちゃんはとっても悔しかったと思いますが それ以上に良い経験になったと思いますよ。 そのまま勝ち続けているよりも・・・・。 だみ声先生が言われているように、切磋琢磨してこそ 立派な人間であり、立派な剣道人になれると思います。 ここでエリちゃんが悔しさをバネにして、頑張って、 そのお友達に勝てるようになれば、より一歩成長できるのではないでしょうか。 「悔しい」「勝ちたい」って思う気持ちを大切にしてください。 (今は、その気持ちが薄い子が多いから) そして、次に勝てたとき、「あの友達のおかげで自分は頑張れた」って 思える人になっていると思います。 そうなった時、剣道に勝っただけでなく、気持ちでも勝てたのかもしれません。 これからの頑張りを楽しみにしています!
Re: 初めてあの子に負けた ( No.6 )
日時: 2008/07/04 19:05:52名前: エリ
皆さん、ご丁寧なアドバイスありがとうございます。こんなに返事が来るとは思いもしませんでした。驚きました。 確かに皆様の言う通り、気持ちを切り替えるのが大切ですね。今度はそのこに勝てるように、自分の弱点を見直したいです。 凜美優さんのいう「出頭面」は、要するに相手が面を打とうと思ったその瞬間、自分のほうが先に面を打つということですね。(多分ですが・・・。) 私は出頭面という言葉をはじめて知りましたが、言葉は知らなくても、自然に出頭面をしていたことがあります。 でも、結局相手がいつ来るか分からなくて、打たれるという経験が多々あります。イメージは掴めますが、実際やってみると失敗します。 これから出頭面を頑張ってみようと思いますが、出来れば、コツを教えて下さいませんか?相手がいつ来るかどうか、そのコツも教えて下さいませんか? 我がままを何度もすみません。 返信をして下さった皆様、本当に感謝します。
Re: 初めてあの子に負けた ( No.7 )
日時: 2008/07/05 01:15:22名前: 凛美優
『エリ』さん。 中学生なのに研究熱心でいいですね。そのような探究心はとても大切です。 いろいろお話しする前に、覚えておいて頂きたいことがあります。剣道では、コツというのは、これっという一つのみが存在するのではありません。同じコツであっても、人によって馴染みやすいものや、そうでないものがあります。人は、身体能力も背格好も体力も気力も性格も、あらゆるものが人それぞれ異なっているので、同じ事を学んでも画一的に同じ動きになるとは当然限りません。(ま、それが剣道のいいところなのですが。)剣道の先生も同じです。それぞれ学んできた環境と経験が異なっているため、得手・不得手があり、同じ高段者の先生でも全く違うことを言う場合がたくさんあります。それら一つ一つ全部まともに受け止めて翻弄してやるのではなく、それらの中から一つ程度、自分の事情に最も適格だと思われる教えを念頭に置いて、いろいろ試しながら取り組まれると、よろしいかと思います。 『出頭面』のコツは、人によってそれぞれだと思いますが、私の場合は、次のようにしてます。 『セキレイ』という小鳥をご存知ですか。尾が長くスッとして、とてもかわいい小さな鳥です。もし見たことがなければ、ネット検索で動画等が出ているかもしれません。例としてふさわしくないかもしれませんが、その小鳥の長い尾の先の動き、止まったと思えばピクッ、ピクッって小さく速く動く様子…、竹刀の切先がそんな動き方をするようにして、前後に小刻みに動きながら間を詰め、自分の攻めの気位(きぐらい/ま、オーラみたいなもんです)を相手に向け、相手の気持ちを揺さぶります。 切先を低く、その延長線が相手の喉辺りになるように中段に構えて、自分の竹刀の切先が相手中段切先の高さのやや下からやや上に数cm、メリハリを付けてピっと動かして、切先を相手の身体中心線上の喉または眼の位置に付けながら、足運びを伴い間をグッと詰めると、多くの人が『くるなっ…』と察知してくれます。ここで、すぐに自分から拙速に打ちに行かないことがポイントです。すぐに打つと、多くの場合、相手は避けるか、運動神経のいい人なら体勢を崩して押さえ小手を打ってきます。 察知したかどうかは、相手の左こぶしの動きを見れば分かります。何らかの動き・反応が相手の左こぶしに現れれば、上記の動きを伴った攻めは有効だということです。多くの場合、反応が2つあって、一つはその動きに便乗して、面などを打って来る、もう一つは、『くるなっ・・・』と思って固まるか、引くか、避けの姿勢に転じるか、のいずかれです。 面にくる動きを感じたら、その起こりを面打てばいいのです。相手は自分の攻めの動作に反応してから面技に移るので、物理的に0.数秒から1.数秒、確実に出遅れが生じます。自分は、自分のペースで前に攻め入っているので、そのままスバっと打てば、自分の面の方が早く確実に中心を捕えることが出来ます。 『くるなっ』って思って相手が固まれば、そのまま面を打ち込むし、引けば、更に追い攻めをすれば、相手も引き続けることは出来ないし、避けの姿勢に転じたら、面以外の隙ある打突部位(中学生は突きは禁止です)を捕えればいいのです。ここでは瞬間的な観察眼が重要です。 このような動きをするには、竹刀を持つ手の掌の握り方(よく手の内といいます)が大事です。イメージとしては、左手の小指と薬指にやや力を入れて、あとは緩めて、打つ瞬間、打突部位に当たった瞬間だけ力を全体に入れ、当たったら緩めるような感じにします。 手をグーにした時、親指が中指あたりにくるように斜めのグーにします。そしてそのグーの中に卵を包み持っているような感じで竹刀を握ります。左手は、竹刀の柄頭を小指半がけで持ち、左右共、親指をそれぞれの内側にねじ込むようにして、竹刀の柄を上から握るような形(切り手っていいます)で持ちます。 あとは左足ですかね。剣道は、前方への動きは、必ず左足の位置がスタート地点となる(中段の場合です)ので、右足が前に行くと左足の引き付けが素早くピっとなされる必要があります。 目の前で実践して見せてあげれば、皆、誰でも直ぐに分かると思いますが、文字にすると、やはりぐねぐね長くなりますね。ちょっと書きすぎました。すみません。分かりづらいと思いますが、真剣に読まず、斜め読みで済ませてください。
Re: 初めてあの子に負けた ( No.8 )
日時: 2008/07/05 14:07:07名前: エリ
凜美優さん丁寧な説明ありがとうございます。 今日はいい知らせがあったのでここへ来ました。 私が初めて負けたあの子に今日勝ったのです! どうやったかというと、始めの合図がかかると同時に、面を打ったのです。 すると1本入り、2本目は小手が入りました。 最近分かってきたのですが,相手の目を見ると、どこを見ているのか分かるのです。例えば、相手が発声しながら面(自分の目)を見ている場合、面を打ち、小手を見ていたら小手を打ってきます。 まぁ、これは私なりのやり方なのですが・・・。(誰でもとは限りません) やはり無意識にそうなるのでしょうね。 凜美優さんの言ってくださった出頭面は実行せずに終わってしまいましたが、もちろんこれから練習します。 相手の目に頼らないように・・・。 大会も近いので頑張ります。 腱鞘炎でかかとが痛いですが・・・。 本当にありごとうございました。参考になります。
Re: 初めてあの子に負けた ( No.9 )
日時: 2008/07/05 18:04:26名前: 剣哉
こんにちは。 よかったですね勝てて。 凜美優さんの説明はすごいとおもいます。 この説明をマスターすればさらに上達するのではないでしょうか。 かかとがいたいなら、サポーター買ってはどうですか? 大会で優勝できるようがんばってくださいm(_ _)m
Re: 初めてあの子に負けた ( No.10 )
日時: 2008/07/06 22:51:13名前: 凛美優
『エリ』さん。 試合に勝ったことは、紛れも無くあなたの力です。素直に喜んでいいと思います。今後もしっかりと頑張ってください。 あなたが今後も剣道人として学んでいく上で大事だと思うことを次に言います。既に実践し、分かっているとは思いますが、念のため、必ずいつでも心の中に留めて忘れないでください。 @ あなたが勝った相手の方にも心から感謝することです。剣道は相手あってのもの。一人だけでは出来ません。相手に多くのことを学ばせて頂いていることを決して忘れてはいけません。相手がいるから自分の力量が分かり、自己の技術等の向上を努力することができます。剣道では、相手あっての自分であることを常に認識してください。 A 勝ったことにより絶対に相手や周囲の人に比較優位性を挙動振舞いとして見せてはいけません。たとえ勝っても、その相手には自分の持っていない技量があるかもしれません。それを更にその相手から学ぶべきです。常に十戦十勝出来ない限り、如何なる人にも自分を超越している部分が絶対にあるので、それを自己の修練として修得探求するべきです。他の人と自分との間の比較優位の識別は、自分ではなく周囲の人々が判断するものです。勝手に一方的に自分から、私はあの人よりも上とか下とか、そういう見方をしてはいけません。剣道人として、あなたは常に公私共に謙虚であり凛とした女性であるべきです。 B あなたの剣道を見て、秘かにあなたに憧れて剣道をしている人がいるかもしれません。あなたには簡単に出来ることでも、その人にはとても難しくなかなか出来ないかもしれません。そういう人は、なかなかあなたに声をかけられません。周囲の人に思いやりの気持ちを常に持ち、一緒に剣の道を歩みましょう、一緒に剣道を学びましょうと、周囲の人と一緒に切磋琢磨し剣の修練をしてください。先生や先輩を敬愛し、同期や後輩を強く優しく思いやってください。剣道はスポーツではありません。武道です。武道は人格形成の道です。勝敗だけを狙ったり、剣技だけ上手になったのでは、全く意味のないものです。人に対する思いやりと自分をしっかりと律する気持ちを伴って、初めて立派な剣道人となります。剣は心なり。忘れずに。 『エリ』さん。しっかり頑張ってください。何か迷ったら、ここのサイトの諸先生方にいつでもご相談ください。またお話しをお聞かせください。
Re: 初めてあの子に負けた ( No.11 )
日時: 2008/07/10 17:30:58名前: エリ
すいません、返信遅れました。ありがとうございます! 凜美優さんお言う通り、浮かれれずに、しっかり練習に励みます。 切磋琢磨ですね!その子とは友達でありライバルである事を忘れないようにします。(うちの学校の校訓です。) また困ったことが」あったらここに来ます。 本当にありがとうございました。