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近間じゃないと面が届かない(悩み)
日時: 2008/12/24 15:37:40
名前: リフィー

私は36歳、剣道六段で、現在小学生を指導しております。
最近の私の悩みは、大人同士の地稽古の際に、近間からしか
面が届かなくなくなって来ている事です。
以前は、もう少し遠間から打っても面に届いたはずなのに・・・。
小学生には、「遠間から一足一刀まで中心を攻めながら少しづつ間合いを
詰めて継ぎ足をしないで、面を打ちなさい」と指導しているのに
実際、出来ていない気がします。
年齢による脚力の低下が原因なのでしょうか?
何か良い解決方法をアドバイス頂けますでしょうか?



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Re: 近間じゃないと面が届かない(悩み) ( No.1 )
日時: 2008/12/25 01:23:30
名前: 凛美優

『リフィー』先生。はじめまして。

私も過去同じような悩みを持って訓練し、ここ数年でやっと解消したという感じがしています。私は過去に左足を剣道の怪我で3回ほど大手術をし、左足の脚力が不安材料なのですが、何とか克服して今に至っています。

以下に言うのは私なりの剣風ですので、あくまで参考になるかならないかという程度でお読みください。

遠間とか近間とか打突のスタートの場所で届かないとか当たらないとか問題意識を持たれた場合、多くの場合、その原因は @『攻め』の無さ、A 画一的な『間合い』の思い込み、です。

『攻め勝った後の打突』という概念なく物理的な距離感だけで悩むと禅問答的な世界に陥るものです。『攻め』あれば、結果的に、遠くても近くても打突部位に届き当たります。

『間合い』における遠い・近いは物理的な距離のことではなく、相手との『合気』によって形成される二者相互の攻防状況における打突の実現可能性のことだと思います。また打突の技には『先』『先の先』『先々の先』という種類がりますから、展開としては無限にあるものだと思います。

私は、以前は、遠間から打たねばと思い、36の竹刀を使ったり、触刃の間から脚力で飛んだりと、いろいろやってましたが、結果的には、脚力は十分付きましたけど、やっぱり有効打突には十分に至りませんでした。
普通の人でも、絶対に、意識せずにやれば、相手がじっとしている限り、交刃の間(相互の剣が切っ先より深く物打ち辺り前後で交わっている間/一足一刀の間ではない/一足一刀の間は、その名の通り一歩前進で打突し得る間ですから人によって物理的な距離が異なります。)から踏み込み足一歩で正面は届きます。

届かないのは、相手が動くから、そして相手に打つ前に既に技と動きを読まれているからです。もちろん左足への体重かけやひかがみの伸びの状態は打突前から備わっていることが要件ですが。

私も悩み、多くの諸先生方から色々指南され、行き着いたのが、やはり『攻め』と『間合い』でした。

結論は、相手が動けない、または相手が動いてもその反応が瞬間遅い、または相手の打突よりも前に普通のスピードで先に打突する、というような状態を体現すればいいということです。

遠間・近間を思考するに際し、『攻め』と伴わない限り、遠間でも近間でも、どんなに打ち合っても、たとえ当たったとしても、それらはいずれも理合から外れたつまらないものになると思います。ですので、遠間からの技が近間からの技よりもいいとか悪いとか、そういうお話ではないと思ってます。逆に『攻め勝った後』という状態が確保されている限り、遠間でも近間でも打突は理に適っている(当然『打ち切る』等の状態も必要ですが…)と思います。

私の我流解釈では、『攻め』とは、主に剣の切っ先と身体の構えを使って(中段の場合)、対峙した相手に『四戒』や『止心』を生じさせることにより、自己の攻防の両面につき優位性を確保すること、と思っています。

その確保の証は、いろいろな面で把握することが出来ますが、私が一番重視しているのが、相手の左拳の動きです。自己の切っ先の動き等により、結果として相手の左拳が身体中心から外れたり、何らかの反応や動きがあった場合には、多くの場合、相手の内面に変化があった時と認識しています。その際に効果的なのが『ため』です。『攻め』直後の一瞬の『ため』は、相手のとっさの判断や本能的な動きを止める有効な技だと思ます。

継続的で絶え間ない『攻め』から相手の変化を捉え、それが瞬間かつ十分に捕えた時に打突すれば、遠くても近くてもいいと思います。相互の剣が交刃の間にある限り、もう物理的には射程範囲に入っていますから、あとは物理的な距離の問題ではないと思います。

私も、まだまだ未熟で、昇段審査でも十分に体現PRできていません(と言うかヤッパリ微妙に緊張するんですよね…。)が、前述のように心がけて訓練しています。

身体能力的には、防具をすべて付けた状態で一歩踏み込み足が出来れば十分です。足の位置取りは、やはり左足が中心ですから、股が広いすぎとかはしんどいでしょうし、右足前出し後の左足引き付けの素早さはやっぱり重要かと思います。ただ高段者であれば、継ぎ足や歩み足等もきちんとした足技ですから、送り足厳守徹底と囚われ過ぎない方がいいかもしれませんね。

私と同じことも問題意識として持たれて剣道をされている方とこのサイトでめぐり会い、嬉しくて、自分の練習意識を書いて見ました。これらは、あくまで私の我流ですし、人の身体都合や技能などにより、もっといい方法があったりすると思いますので、ふーんっていう感じで見てください。

また、ご連絡ください。よろしくお願いします。
Re: 近間じゃないと面が届かない(悩み) ( No.2 )
日時: 2008/12/25 02:08:12
名前: だみ声< >

凛美優先生
横合いから失礼しますが「極意」をいただいた気がします。できるかどうかは今後の修行でしょうが、「間」のとらえ方の稽古に大きなヒントをいただいた気がします。

尤も体力も衰えてきたわが身に、どれだけ通用するかはわかりませんが、しばらく取り組んでみたいと思います。 書かれたりフィーさんよりはるかに高齢の上、未熟の僕にどれだけ出来るのか、試してみたいと思います。

物理的な距離、攻め入っての距離、跳ね返しての距離、相手の攻めを逆手に取る距離、そして効果的な「溜め」などの組み合わせによる「その場面を支配する距離」の取り合いとでも言うのでしょうか?

奥が深い剣道の研究と、楽しみ方の一端と感じました。ありがとうございます。
Re: 近間じゃないと面が届かない(悩み) ( No.3 )
日時: 2008/12/29 02:22:40
名前: 凛美優

『だみ声』先生。

ヒントだなんて、とんでもない。ただの我流です。私は、やたらと左半身に怪我等の古傷を多く抱えているため、普通にやると、すぱっとした正面打ちがやはり10〜15センチは足りない状態で、気持ちや意識と実際の身体の動きが不一致となるため、攻めから打ちに転じる機会がズレたりして、なかなか上手くつかめず苦しんでいるのです。

頭で考えながらやり過ぎているのかもしれません。もっと本能的にやればいいのでしょうが…、でもそうすると、過去にも書きましたが、殺気が大き過ぎるとか、攻め気が強すぎるとか、言われ、攻防に関する気持ちの変化が読まれると指摘されてしまいマス…。

ま、剣道は、人それぞれに適った創意工夫ですから、私も自分をよく見つめて頑張ります。先生も、またいろいろお話しをお聞かせください。怪我や病気や事故等のないように、お仕事にもお身体にも、そしてご自身の剣道にも十分お気を付けて、よいお年をお迎えください。
Re: 近間じゃないと面が届かない(悩み) ( No.4 )
日時: 2008/12/29 05:43:09
名前: しま< >

リフィー先生、36才で六段で、何を今さら!?…いや、失礼しました。以前女子の試合で、お相手はやはり六段の方でした。自分の間合いにズズッと入ってこられる、私が打ったら元打ちになるぐらいです。引く、また入ってこられる、その繰り返し、我慢できずに面に行ったらあっさりかわされて引き面で負けました。近間に攻めてこられると、自分の領域をかき回されて、それだけで動揺して駄目ですねぇ…まあ私なんかリフィー先生より10才近く年上だしまだ五段だし…女子の場合、男性との稽古が多いですから、ご自分の間合いを持ってらっしゃるのは有利なのでは?私は近間の方との稽古は苦手。私は凜美優先生のようなアドバイスなんてできないので、同じ女子剣道家としての単純な感想です。

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