ブランクからの剣道7

(中国) 剣道二段 38歳

剣道を何歳から始めましたか?
小学校1年生より高校3年まで

剣道を始めたキッカケは?
幼稚園のころ病弱だった私の体力をつけるために、親の独断ではじめさせられたらしいです(記憶にありませんが、 はじめは、泣いていやがっていたらしいです。)

再開したのは何歳からですか?
20年ぶりの38歳から。

再開したキッカケは?
我が子(小学1年生)が剣道を始めたのをキッカケにはじめました。
30歳を超えた頃から、剣道再開に対する思いが強くなってきて いたのですが、故郷から離れて一人で道場の門を叩く勇気もなく、再開のキッカケがありませんでした。子供が幼稚園に通うように なってから、帰省するたびに息子に高校時代の防具を見せては口説いていたところ、「剣道をやってみたい」というようになり、当初 は息子のみ始めました。たまたま見学に行ったとき、少年団の先生が、「暇な折りでよいから是非再開してはどうか」とやさしく声を かけてくれ、一念発起しました。
特に、高校時代使用していた面と甲手は、今は亡き、大叔父さんが、体調を崩され剣道を引退された とき譲って頂いた手差しのもので、思い出深く、また使ってみたいと思っていましたので、また使えて良かったです。

剣道を始めて良かった事、苦労した事は?
<良かったこと>
1.子供と一緒に再開したことで、共通の話題でもりあがれるようになったこと。また、最近、子供がハキハキと物を言うようになっ たこと。
2.私が子供の頃は病気がちでしたが、現在は、これといった運動を20年ほどしていませんがほとんど病気知らずです。最近、運動 不足で血糖値があがっておりましたが、剣道を再開してから、(まだ1ヶ月程度ですが)体調が良くなり、体が引き締まってきたよう な気がしています。
3.高校まで12年間つづけて、集中力と持続力が付きました。1回目の大学受験失敗後、1年で3年分を取り返し、奇跡の大逆転で 大学に入学できました。剣道で養った探求心のおかげで、さらに進学し夢であった職に就くこともできました。
4.現在では、剣道で学んだ「仁義礼智信」、「初心」などの精神は、生活を取り巻く至る所に生きていると実感しています。

<苦労したこと>
1.高校に入って最初の部活の練習は、予想以上に激しく新入部員のほとんどが血尿で苦しみました。朝練と合わせて毎日4時間くら いは稽古をしており、とても苦しかった記憶があります。
2.とくに高校時代は剣道にのめり込んでしまい、剣道の所為にしたくありませんが、不勉強のため1回目の大学受験は撃沈しまし た。おかげで、その後一年間、毎日18時間以上勉強する羽目になりました。(友人は、一発で進学を決めていますので、けして剣道 の所為ではありません。)

剣道とは?
20年のブランクがあってもできます。先日は、80歳代の先生に稽古をつけてもらいましたが、明らかに体力・精神力ともに負けて いました。年齢を選ばないところが好きです。精神論としては、自分のなかにある「弱い心」との戦いでしょうか。「克己」は今でも 好きな言葉です。

今後の取り組み(剣道でも、勉強でも、生き方でも)
剣道については、仕事が忙しく、いつになるか分かりませんが、当面は三段をめざし、ほとんど初心者に戻ってしまった体や技術をたたき直すことです。
一般的なこととしては、現在、職場で後進を指導する立場ですが、剣道で学んできた「基本の積み重ね」と「探求 心」の大切さについて、後進を指導する上でも身をもって実感しております。このような精神を、少しでも少年少女剣士に伝えること ができたらと思います。

ブランクのある方へ
20年ぶりに再開した日のことですが、素振り約200本で息が上がっている自分がいました。その後、小学生相手に基本稽古をしま したが、10分ほどで「左手の握力が無くなり」、15分で「足がもつれ」、頭でのイメージとは裏腹にとても情けない自分がいまし た。しかし、暑い中、きびきびとした小学生の動きを見ていたら、何かしらのエネルギーをもらえたようなすがすがしい気分を味わう ことが出来ました。
翌日は、筋肉痛でサロンパスだらけの出勤でしたが、稽古も、4回目くらいから、すべてのメニューについて行け るようになりました。筋肉痛をのぞき、明らかに体調は良くなりました。再開しようかと悩んでいる方、是非とも、はじめましょう。 気持ちいいですよ。

少年少女剣士を目指すお子さんへ
剣道では毎日の基本稽古から「積み重ね」の大切さをまなびます。それに、どうやったら上達できるかという「探求心」を付け加えれば、剣道はどんどん楽しくなるでしょう。それは、勉強だって同じです。天才にはなれないかもしれませんが、秀才は誰だってなるこ とができます。なにごとも、どんなにつらくても、諦めず続けることが大切です。

剣道人口増やしたい